ミニ・レビュー
これぞ“グレイテスト”の名にふさわしい、まさにヒット曲の玉手箱のような一枚。改めて彼らが80年代に金字塔を打ちたてたバンドと痛感。90年代に入っても健在ぶりをみせたが、最新作からも(16)を収録。世紀末の今、再び華麗なる復活劇をみせてくれるか。★
ガイドコメント
2003年7月、オリジナル・メンバー5人での来日を記念して発表されたべスト・アルバム。シングル・ヴァージョンやエディットなど、聴きどころ満載。外装は、往年のファンには懐かしい写真だ。
収録曲
01IS THERE SOMETHING I SHOULD KNOW?
83年、ついに初の全英1位を獲得。大胆なビートと妖しいシンセ・サウンドが華麗に融合した、ニューロマ節全開のキャッチーなヒット作だ。サイモンのエネルギッシュ&ド迫力なバリトン・ヴォイスは、まさに黄金期の勢いそのもの。
02THE REFLEX
“トゥァララ…”と次第に迫ってくるイントロのフレーズが印象的な、昂揚感あるナンバー。多彩なサウンド・アレンジでダンサブルに展開。全米第1位、全英第1位を獲得した彼らの代表曲。
03A VIEW TO A KILL
映画『007 美しき獲物たち』のテーマ曲。サイモンの艶やかな色香あるヴォーカルが、緊迫感あるオーケストラ・ヒットと淡々としたバンド・サウンドに重なり、スパイ映画の雰囲気をダンサブルに見事に体現している。
04ORDENARY WORLD
05SAVE A PRAYER
06RIO
07HUNGRY LIKE THE WOLF
軽快なギター・リフが印象的なダンサブルなロック・チューン。ポコポコと跳ねるような電子音を全篇に繰り広げ、メロディアスなロック・サウンドと融合させたその先見性は、もっと評価されてもいい曲。
08GIRLS ON FILM
18禁レベルの超セクシー・プロモで大ブレイクを果たした81年の3rdシングル。彼らがMTVブームの申し子たるも、本作がゆえん。ともあれ、サイモンのバリトン・ヴォイスと大胆なビートは、PVに引けを取らない強烈なインパクトだ。
09PLANET EARTH
10UNION OF THE SNAKE
蛇の集団が忍び寄ってくる……。そんな嫌〜な圧迫感を絶妙に描くスリリングなビート・チューン。絡みつくようなサイモンのヴォーカルが、まさにスネイキー。この陰気臭さをポップに仕上げてしまう、彼らの底力を見る秀作だ。
11NEW MOON ON MONDAY
南の小さな島から、広大な大陸へと旅立つがごとくの、ドラマティックなメロディ展開。そして、男の色気と哀愁を含んだ、情感あふれるサイモンのヴォーカリゼーション。両者が相まって究極のロマンティシズムを生んだ、84年のヒット曲。
12WILD BOYS
スタジアム・ロック風のメイン・フレーズに、幻想的でうねるようなメロディが絡みつく、ニューロマンティックスの真骨頂がうかがえるナンバー。日常と非日常を入れ替わり彷徨うような感じに、不思議な色気が漂う。
13NOTORIOUS
恋のスリリングな駆け引きを描いた、ポップでアダルトなファンク・チューン。じりじりと、着実に迫ってくるかのようなビート・ラインは圧巻。86年当時、バンドは分裂状態にあったが、これだけの水準のサウンドを維持するとは、驚き。
14I DON'T WANT YOUR LOVE
15ALL SHE WANTS IS
16ELECTRIC BARBARELLA
17SERIOUS
18SKIN TRADE
19COME UNDONE