ミニ・レビュー
デフ・ジャム・ジャパンのNo.1レディ、AIのファースト・アルバムはねっとりとディープなヒップホップから、軽快でさわやかなR&Bまで、色とりどり揃えた聴きやすい作品。低音をビシッと効かせたオトコ前のヴォーカルと、時おり見せる可愛らしさがグッド。
ガイドコメント
「最終宣告」「Thank U」の2曲のシングルを収録した、デフ・ジャム・ジャパン初のヒップホップ・ソウル・シンガーのアルバム。グッとくるバラードからフロア・ライクな楽曲まで幅広く聴かせる。
収録曲
01最終宣告 (AI)
デフ・ジャム・ジャパン移籍後初のシングル。ストリングスを勢いよく爪弾くオープニングが印象的なミディアム・バラード。恋人との終わりを告げるのは私から……と、苦悩する姿を描いた歌詞が切ない、心を打つナンバーだ。
022HOT (feat.SPHERE of INFLUENCE)
デフ・ジャムのラッパー、SPHERE of INFLUENCEをフィーチャーした、軽快な8ビートが心地よいミディアムR&Bチューン。伸びのあるAI独特のかすれた声とよどみないラップが絡み合い、内からだんだんと湧き上がるようなハイ・テンションなナンバー。
03Summer Time
作詞・作曲をAI自身が手掛けた、夏の晴天を思わせるアップ・テンポのハッピー・チューン。パフパフ鳴るラッパの音色が心弾む様子を表わしていて、曲にアクセントを与えている。海辺での楽しい気分を描いたリリックに共感してしまうナンバーだ。
04Thank U
グレート・デーン・プロジェクトをプロデューサーに迎え、ロサンゼルスで制作されたDef Jam Japan移籍第2弾、通算5thシングル。軽快なミディアム・ビートのなかを感謝の気持ちいっぱいにライムするギフト・ソング。
05PARADISE
AIのハスキーなヴォーカルにゴスペル調のコーラスが重なった、情感豊かなミディアムR&Bチューン。軽快に爪弾くギター・リフが印象的で、陽気ななかにも陰りが見え隠れする味わいのあるナンバーに仕上げたのは、プロデューサー、今井了介。
06PLAYBOY (feat.DABO)
日本のラップ界を代表するDABOをフィーチャーした、クールなラップが印象的なナンバー。フェイド・インしながら淡々と8ビートを刻むドラムの音色や1拍目のズンッと深く沈むベースの音色に引けをとらない力強いヴォーカルが、凛とした女性を描き出している。
07Girls'Talk
幸せそうなカップルを見て、自分たちも素敵な彼を探そう! と奮起する姿を描いたリリックが面白い。間奏部での男女の会話もリアルでGood! 高音部分のメロディを難なく歌いこなすヴォーカルにも脱帽のナンバーだ。
082 Face
誰にでもいる“もう一人の自分”をテーマにした詞に共感する8ビートの軽快なナンバー。随所にちりばめられた、さりげなく韻を踏むリリック・センスの良さとラップもスムースにこなすテクニックの高さに感服。『ORIGINAL A.I.』の中でも異彩を放つ一曲だ。
09言ノ音
大切な人と一緒にいたいだけ……と、ハスキー・ヴォイスでしっとりと歌い上げるバラード・ナンバー。オープニングから随所に響く、キーボードのライトなメロディのループが、心の寂しさを表わしているようで切なく響く。
10LIFE
フェイド・インして聴こえてくる水音、微かに流れる音楽。アコギとフルートの美しい絡みに導かれて、静かに語りかける歌声に心ひかれるバラード・ナンバー。この世界で自分という存在の大切さに気づかせくれる歌詞には心を打たれる。
11My Friend
「がむしゃらに過ごした若い日々から、お互いに成長して再会できたらいい」と前向きに、そして友情を温めるように歌うこの曲は、ファンの中でも人気が高い。メッセージ性あふれる楽曲は、AIの真骨頂が垣間見える。
12LAST WORDS (feat.JOE BUDDEN)
JOE BUDDENをフィーチャーしたデフ・ジャム・ジャパン移籍後の初シングル「最終宣告」を全篇英語で歌ったナンバー。サウンドはほとんど変わらないのに言語を変え、MCを加えるだけで曲の雰囲気がガラリと変化する面白さを味わえる。