ミニ・レビュー
世界の音楽シーンを一変させたファースト・アルバムから約2年ぶりの作品。より簡潔、より明快にバンドが出せる音だけを突き詰めた結果が結実。ポップ・センスは満開、シャープなギターの絡みはさらに輝きを増して5人の演奏は自信をうかがわせる。ファーストを凌ぐ好盤。
ガイドコメント
話題作『イズ・ディス・イット』(2001年)に続く、待望の2ndアルバムが完成。前作同様ゴードン・ラファエルがプロデュース。よりクールでポップ、そしてロックンロール魂あふれる話題盤だ。
ガイドコメント
2001年の話題作『イズ・ディス・イット』に続く、待望の2ndアルバムが完成。前作同様ゴードン・ラファエルがプロデュース。よりクールでポップ、そしてロックンロール魂あふれる話題盤だ。
収録曲
01WHAT EVER HAPPENED?
円を描くようにゆっくりと広がっていくビートと、ジャキジャキと刻まれるリズミカルなギター。前作『イズ・ディス・イット』の流れを踏襲しつつも、より視野の拓けたサウンド・クリエイトに挑戦した、新たなストロークス・サウンド。
02REPTILIA
しなやかに走るベース・ラインを基盤として、暴発するギターとヴォーカル。青さと暴力性を内包したナチュラル・ボーンな爆裂ロックンロール・ナンバー。そのポテンシャルの高さに、思わず血が沸騰するほどの興奮を覚えるはず。
03AUTOMATIC STOP
乾いたギター・カッティングと太いベース・ライン。スッカスカのビートが別々の方向を向いているような無縫さで鳴っているかと思えば、きちんと絡み合ってグルーヴを生みだす不思議な一曲。奇妙でありつつも中毒性の高さは随一。
0412:51
印象的なギターのフレーズとハンド・クラップが心躍らせるポップ・チューン。グルーヴの中心へと引き込む強力な磁場は流石の技。ロックとポップ・ソングの中間を見事にぶち抜いた、ストロークス・マジックの結晶体ともいうべき作品。
05YOU TALK WAY TOO MUCH
ルーズになったかと思えば突然シャープになったりと、先の読めない展開で見せる天の邪鬼な一曲。ギア・チェンジのように加減速するサウンドは、それこそまるでドライブのような疾走感を生みだし、なかなかダイナミックだ。
06BETWEEN LOVE HATE
ハウス風のバウンシーなビートの上をギターが疾走する異色作。いきなりカントリー風のフレーズがインサートされているのもなかなか興味深い。雑多な音楽情報を盛り込みつつも、すっきりと聴かせてしまうあたりにバンドの柔軟性が垣間見える。
07MEET ME IN THE BATHROOM
これぞストロークスという王道メロディを、メンバー5人の火花が散るようなセッションにより恐ろしくエモーショナルなサウンドで体現させている。何の衒いもない直球だからこそ、バンドの本質がはっきりと分かる一曲だ。
08UNDER CONTROL
ルーズなメロディが何とも心地よい一曲。普段のストロークス・サウンドが灼熱の太陽だとすれば、これは砂漠に吹く一陣の乾風というべきか。退廃と熱を抱えつつも、一瞬の切なさを伴って、虚しく吹き抜けていく。
09THE WAY IT IS
強烈なドラムのアタック音とデジタルに加工されたギター・ノイズのインパクトが強烈。原始的な熱情を最新技術でゴッテゴテに加工した、異形のロックンロール台風が、今までにないリアルさで迫ってくる。
10THE END HAS NO END
ビートの縦軸とギター・フレーズの横軸により編み上げられていく、立体的なサウンド・メイキングがイマジネーションを刺激する。レトロでありつつも未来的なヴィジョンが見え隠れし、バンドの次なる進化を垣間見せている一曲だ。
11A CAN'T WIN
シンプルなロック・チューンだが、エフェクターを通していないギターによるネイキッドなサウンドをフィーチャーしており、それゆえに曲そのものの魅力がダイレクトに伝わってくる。しなやかで華麗なヴァイブが爽快だ。