ミニ・レビュー
移籍前までの7枚のシングル曲集。王道バラードの(13)から、ドラッグ・クイーンが目に浮かぶパーティ系の(6)まで、完璧な歌唱がリマスタリングによってさらに浮き彫りになっている。また、日本語のしっかりした歌詞が、自然に心に響く要因とも気付くはず。
ガイドコメント
ジャパニーズR&Bシーンの第一人者として君臨するMISIAの、デビュー5周年企画のシングル・コレクション・アルバム。ヒットしたシングル表題曲はもちろん、カップリング曲も収録した決定版。
収録曲
01つつみ込むように
それまでなかったR&Bシンガーというカテゴリーを築き上げた衝撃の一曲。声質はポップ感が強いものの、うねるグルーヴに対応する抜群のリズム感と神がかり的な超高音のヴォイスに魅了される。
02Never gonna cry! (ORIGINAL MIX)
03陽のあたる場所
ジャズ・ファンク調のイントロから、グルーヴィなファンク・サウンドを展開。突き抜けるようなメロディではなく、陰影を含んだ楽曲ながら、持ち前の純度の高い、柔軟なヴォーカルが魅力的なナンバー。
04恋する季節
05BELIEVE
ズシリと伝わるベース・ラインとキックに、スクラッチ音やファンキーなギター・カッティングなど、R&B要素の濃い3rdシングル。ブルース調なフレーズからゴスペル調のエンディングまで、懐の深さを感じる曲。
06花/鳥/風/月
07忘れない日々
彼方まで広がる草原に立ち、全身で風を受けるような壮大さが窺える4thシングル。中盤のコーラスの後、転調して天空を裂くようなハイ・トーン・ヴォイスから迎えるクライマックスへの流れが良い。
08One!
09sweetness
静けさを保っていた海が陽の光によって次第に穏やかな顔色に変わっていくかのような清々しさを持つ5thシングル。苦味や渋みを経験した者だから分かる優しさや愛情を、伸びやかに表現したミディアム・ナンバー。
10愛しい人
11Escape
J-POPのR&Bシーンの代表格ともいえるMisia。“奇跡”というものを信じ、変化を待ち、強く生きる心模様を描く。“いっそ、どこか遠くへ飛んでしまえたら”という気持ちが、MISIAの声とともに宙を舞う。
12Change for good
13Everything
内に秘める想いを淑やかに、したたかに歌い上げるスタンダード・ラヴ・バラード。瑞々しく沁みわたるストリングスやゴスペル調のバック・コーラスも印象的。月9TVドラマ『やまとなでしこ』主題歌。
14愛の歌
前向きなパワフルさを全面に出したラヴ・チューン。ホーン・セクションのアクセントが、単なる明朗さだけのチープなラヴ・ソングではなく、多彩な色合いを持ったジャズ・ファンク・サウンドに昇華させている。