ミニ・レビュー
単なるベスト盤かと思ったら大間違い。異様にマニアックな選曲に驚き、しかもそれがテンポのノロイ曲ばかりなのに二度驚く。『アダージョ・カラヤン』ならぬ『アダージョ・グールド』。だが“癒し”などとはほど遠く、微視と沈潜と幻想にとことん付き合わされる。
ガイドコメント
グールドが音楽に求めたものは、絶えざる響きとおだやかな心(セレニティ)だった。そんなコンセプトでスローなナンバーを集めたベスト盤。日本盤のみ、ブラームスの間奏曲op.118−2の別テイク(世界初CD化)付き。
収録曲
01協奏曲ニ短調BWV974〜第2楽章 アダージョ (A.マルチェルロのオーボエ協奏曲に基づく) (J.S.バッハ)
02ソナチネ第2番ホ長調op.67-2〜第2楽章 アンダンティーノ (シベリウス)
03ピアノ・ソナタ ロ短調op.5〜第2楽章 アダージョ・カンタービレ (R.シュトラウス)
04間奏曲イ長調op.118-2 (ブラームス)
05無言歌ホ長調op.30-3 (メンデルスゾーン)
06無言歌ホ長調op.19-1 (メンデルスゾーン)
07ヴェルテンベルク・ソナタ第1番イ短調Wq.49-1〜第2楽章 アンダンテ (C.P.E.バッハ)
08イギリス組曲第4番ヘ長調BWV809〜第4曲 サラバンド (J.S.バッハ)
09ピアノ・ソナタ ホ短調op.7〜第2楽章 アンダンテ・モルト (グリーグ)
102つの小品op.57〜第1曲「欲望」/第2曲「舞い踊る愛撫」 (スクリャービン)
115つの小品op.3〜第1曲 アンダンテ (R.シュトラウス)
12間奏曲変ロ短調op.117-2 (ブラームス)
134つのバラードop.10〜第1番 ニ短調「エドワード・バラード」 (ブラームス)
14間奏曲変ホ長調op.117-1 (ブラームス)
15間奏曲イ長調op.118-2 (別ヴァージョン) (ブラームス)