ミニ・レビュー
テレヴィジョンの78年発表の名作セカンドが当時の帯デザインなど丁寧な仕事で紙ジャケ再発。タイトル曲なのになぜか未発表だった(9)などボーナス・トラックも充実しているし、何より近年のシカゴ界隈でもおなじみアラン・リクトの解説が嬉しい。★
ガイドコメント
テレヴィジョンの2ndアルバムがリマスター+レア・トラックをボーナス追加した紙ジャケット仕様で再発。NYのアンダーグラウンド・シーンを震撼させたサウンドが、今ここに蘇る!
収録曲
01グローリー
カントリー調の土臭いサウンドで聴かせる緩やかなロックンロール。ストレートで毒気のないサウンドには賛否両論が巻き起こったが、鋭利なギター・リフが随所に光るなど、テレヴィジョンらしさは十分に見てとれる。
02デイズ
トム・ヴァーラインとリチャード・ロイドが共作したナンバー。ギタリスト二人が顔を突き合わせただけあり、お互いの間を行き来するメロディは飛び抜けて美しい。シンプルなサウンドにそっと花を添えるようなコーラスも素晴らしい。
03フォックスホール
歪んだギター・サウンドが全面的に押し出されたストレートなロックンロール。フォーク・ロックな骨太なサウンドとサビでの「フォックスホール! フォックスホール!」というコーラスが、リスナーのハートを煽りまくる。
04ケアフル
ピアノを取り入れたカントリー・サウンドで聴かせるポップ・チューン。ビーチ・ボーイズを思わせる能天気なコーラス・ワークやハンドクラップなど、これでもかとハッピーな要素に彩られたサウンドが心地良く響いている。
05キャリード・アウェイ
チャイニーズ・フレイヴァーのキーボード・サウンドが華麗なスロー・バラード。儚く甘いメロディと囁くようなトムの歌声が寄せては返す波のように漂っては、いつの間にか消えていく。誰もが持っているノスタルジーを呼び起こす切ないナンバーだ。
06ザ・ファイア
重々しく陰鬱としたダウナーなスロー・ナンバー。バラードというよりも、散文的な詩の世界にメロディをつけた一種のミュージカルのようなものと考えた方が自然。テルミン風のキーボードのフレーズが悲劇的に響くことでよりドラマ性を際立たせている。
07エイント・ザット・ナッシン
リズミカルなドラムとギター・カッティングが心地良いロックンロール・ナンバー。力強くタフなサウンドからは、ブルース・スプリングスティーンなどのストレートなアメリカン・ロックも想起させられる。
08ザ・ドリームズ・ドリーム
華やかなメロディが心地良いスロー・ナンバー。6分以上ある比較的長尺の曲だが、そのほとんどがバンド・セッションで構成。トムの歌は添え物程度に入っているが、彼らの魅力である濃密なバンド・セッションを味わうという意味で、聴き応えも十分な曲だ。
09アドヴェンチャー
10エイント・ザット・ナッシン (シングル・ヴァージョン)
リズミカルなドラムとギター・カッティングが心地良いロックンロール・ナンバー。力強くタフなサウンドからは、ブルース・スプリングスティーンなどのストレートなアメリカン・ロックも想起させられる。
11グローリー (アーリー・ヴァージョン)
カントリー調の土臭いサウンドで聴かせる緩やかなロックンロール。ストレートで毒気のないサウンドには賛否両論が巻き起こったが、鋭利なギター・リフが随所に光るなど、テレヴィジョンらしさは十分に見てとれる。