ガイドコメント
前作『スーパーナチュラル』でグラミー9冠を成し遂げたサンタナの、2002年作品。ミシェル・ブランチをフィーチャーした「ゲーム・オブ・ラヴ」などの大ヒット曲を含む、豪華なコラボレーション・アルバムだ。
収録曲
01ADOUMA
ペナン共和国出身の歌手アンジェリーク・キジョーの曲。パーカッションを多用したラテン・ビートに乗って、トニー・リンゼイのヴォーカルとコーラス陣、そしてカルロスのギターが大いに歌いまくる。サンタナならではの強烈な高揚感のあるサウンドが快感。
02NOTHING AT ALL
マッチボックス・トゥエンティーのロブ・トーマスが書いた曲。スパニッシュ・ギターとストリングスを使用したエキゾティックなラテン系ヒップホップ・サウンドに乗って、オーガニック・ソウルの新星Musiqが歌う。終盤にはカルロスの情熱的なギター・ソロも登場。
03THE GAME OF LOVE
冒頭から炸裂する泣きのギターの記名性はさすがサンタナ。若さに似合わぬ色香を振りまくミシェル・ブランチの歌唱は、サンタナ・サウンドのラテン風味とも相性抜群。一歩下がって彼女を引き立てるサンタナの好プレイに注目。
04YOU ARE MY KIND
マッチボックス20のロブ・トーマスが書いた曲。ブラジル+ナイジェリアのソウル歌手シールのヴォーカルをフィーチャーしたラブ・バラード。シールのヴォーカルとカルロスのリード・ギターとのデュエットが楽しめる。リズミカルな抒情性がサンタナらしい。
05アモーレ (フィーチャリング・メイシー・グレイ)- AMORノ (SEXO) -
作者のひとりでもあるメイシー・グレイのヴォーカルをフィーチャーした曲。ラテン系ヒップホップ・サウンドに乗って、メイシーがあの個性的な歌声を披露する。カルロスのリード・ギターと女声コーラスがメイシーと共に歌いまくる終盤の高揚感が良い。
06FOO FOO
ホーン・セクションをフィーチャーしたラテン調のインストゥルメンタル曲。サンバやズークを導入し、マリアッチなホーンも挿入したゴージャスな多国籍ラテン・サウンドはサンタナならでは。さまざまな言語が飛び出す掛け声も楽しい最高のパーティ・チューン。
07VICTORY IS WON
初期の名曲「君に捧げるサンバ」を思わせる哀愁のギター・インストゥルメンタル曲。ラテン歌謡的な抒情を満載したカルロスらしい演奏が堪能できる。チェスター・トンプソンのキーボード・ソロもあるけれど、主役はあくまでもカルロスのリード・ギター。
08AMERICA
サンディエゴ出身のラップ・メタルの雄P.O.D.とのコラボレーションによる曲。カルロスのリード・ギターとストリングスをフィーチャーしたミディアム・スローのバッキング・トラックに乗って、P.O.D.のラップ&ヴォーカルが意外にも淡々と展開される抒情的なバラード。
09SIDEWAYS
メンフィス出身の若手シンガー・ソングライター、シティズン・コープのヴォーカルをフィーチャーした曲。コープ自身が書いたミディアム・テンポのパワー・バラードで、カルロスのエモーショナルなリード・ギターをバックに、男っぽいセクシーな歌声を披露している。
10WHY DON'T YOU & I
ニッケルバックのチャド・クルーガーをフィーチャーした曲だが、何らかの事情で女声ヴォーカルに差し換えられている。キャッチーなメロディを持つ抒情的なバラード。全米8位のヒットを記録したシングルではコーリングのアレックス・バンドが歌っている。
11FEELS LIKE FIRE
英国出身の女性歌手Dido(ダイド)のヴォーカルをフィーチャーした曲。ラテン・パーカッションを配したデジタル・サウンドをバックに、Didoがセクシーな歌声を聴かせてくれる。もちろんカルロスのリード・ギターも哀愁のソロを披露するロマンティックなバラード。
12LET ME LOVE YOU TONIGHT
13AYE AYE AYE
マイケル・シュリーヴやラウル・リコウらとの共作曲。オールド・ファンならシュリーヴのドラミングが聴けるだけでも充分にうれしいが、初期のサンタナを思い出させるこの曲のエキゾティックなラテン・ロック・サウンドも魅力的。カルロスのギターもたっぷりと聴ける。
14HOY ES ADIOS
アルゼンチンの人気歌手アレハンドロ・レルネルのヴォーカルをフィーチャーしたバラード。サンタナ的には哀愁のラテン歌謡路線の1曲。カルロスはアコースティック&エレクトリック・ギターを担当し、終盤にはエモーショナルなギター・ソロも披露している。
15ONE OF THESE DAYS
イーストL.A.で結成された多国籍バンド、オゾマトリとの共演による曲。ホーン・セクションも導入したオゾマトリ仕様のラテン・ファンク・サウンドに乗って、楽しそうにギターを弾きまくるカルロスがナイス。世代を超えたチカーノの絆を感じさせるサウンドだ。
16NOVUS
3大テノールのひとりであるプラシド・ドミンゴとのコラボレーションによる曲。サンタナのラテン・サウンドをバックに、ドミンゴのオペラティックなテノールとカルロスの哀愁のリード・ギターが共演する。予想以上に相性のよい魅力的なコラボが堪能できる意欲作。