ガイドコメント
前作『IT'S A WONDERFUL WORLD』から約2年ぶり通算11枚目のアルバム。タイトルからもわかるように、“音を鳴らす”幸福感に包まれた全12曲を収録。
ガイドコメント
2004年発表の通算11枚目となるアルバム。タイトルからもわかるように、音楽を鳴らす幸福感に包まれた全12曲。「掌」「くるみ」「タガタメ」「HERO」といった話題のナンバーを満載。
収録曲
01言わせてみてぇもんだ
アルバム『シフクノオト』の1曲目を飾ったシンプルでストレートなロック・チューン。意表をついた男気のあるタイトルだが、ちょっぴり情けない心情が歌われていて面白い。
02PADDLE
前向きなメッセージ・ソングでも、決して押しつけがましいところがないのがミスチル流。4リズムを中心としたシンプルな伴奏で奏でる爽快なロック・グルーヴに乗せて、わくわくするような未来への希望が歌われている。
03掌
他人を愛そうとすればするほどお互いに傷ついてしまう愛のジレンマを、ソリッドなギター・サウンドに乗せて歌うロック・チューン。余計な装飾を落としたバンドのヘッド・アレンジ的な一体感も痛快だ。
04くるみ
表面的にはラヴ・ソングの形を装いつつ、その中に人生の虚しさや、決して癒されない孤独感を忍ばせ、それでいて穏やかな優しさがこみあげてくるような、まさに桜井和寿にしか書けない珠玉のポップス。
05花言葉
どことなく70年代のフォーク・ソングを思わせるアコースティック・ギターのアレンジが印象的。カラっとしたシンプルなメロディではじまり、ディープに展開していく曲の構成は、ミスチルの存在そのもの。
06Pink〜奇妙な夢
アルバム『シフクノオト』に収録されたナンバーで、エレキ・ギターのサウンドを全面に出したロック・チューン。幻想的な夢の情景を描き、愛の形を象徴する歌詞が新しい。
07血の管
小林武史が奏でるアコースティック・ピアノをバックに淡々と歌うシンプルなバラード。張り詰めた緊張感を感じさせるメロディで、歌詞も悲痛な内容だが、重苦しい雰囲気はない。
08空風の帰り道
恋人と一緒に歩く帰り道、ふと当たり前の幸せに気がついて嬉しくなる……。誰にでもある、そんな小さな喜びを、桜井和寿は上手にすくい上げて見事に表現している。70年代ソングライター風な簡素な演奏も的確。
09Any
小林武史による切なげなピアノのイントロが、名曲「Tomorrow never Knows」を彷彿とさせ、ファンには大歓迎で迎えられた。シンプルな導入部とドラマティックなサビの対比が面白い。
10天頂バス
アコースティック・ギターがロックなリフを奏で、ダイナミックなロック・サウンドに突入するかと思えば、サビではテクノ風なアレンジが待っている、といったストレンジな印象を感じさせるナンバー。
11タガタメ
“1日でも早くたくさんの人に聴いてもらいたい”として、アルバムのリリースを待たずにラジオでオンエアされるという、異例の方法で発表された曲。混乱を極める世界に対する渾身のメッセージ・ソング。
12HERO
内省的な自己批判や、歪んだ社会への違和感といった“ポップス”とは程遠い毒気を孕みながらも「でもヒーローになりたい〜君にとっての」と、サビでピュアな感情を爆発させる桜井マジックの真骨頂。泣ける。