ミニ・レビュー
レッド・ツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズをプロデューサーに迎えたダットサンズのセカンド。生々しいライヴ感と疾走感はそのままに、前作よりもシャープな切れ味を増したビートに成長の跡が窺える。単なる懐古趣味ではない普遍的なハード・ロックの魅力を堪能できる力作。
ガイドコメント
95年から音楽活動をスタートさせ、サマーソニックでも来日した豪州出身の4人組の2nd。プロデュースにジョン・ポール・ジョーンズ(元レッド・ツェッペリン)を迎え、ロック魂炸裂の轟音ロックを聴かせる。
ガイドコメント
95年から音楽活動をスタートさせ、サマーソニックでも来日した豪州出身の4人組の2nd。プロデュースにジョン・ポール・ジョーンズ(元レッド・ツェッペリン)を迎えロック魂炸裂の轟音ロックを聴かせる。
収録曲
01BLACKEN MY THUMB
前のめり気味に疾走する低音ギター・リフが特徴的なロックンロール・ナンバー。ガレージ・パンクの性急さとニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタル(NWOBHM)のワビサビが何度となく交錯する佳曲。
02THAT SURE AIN'T RIGHT
リズミックなドラミングでスタートする奔放なロックンロール・ナンバー。キャッチーなギター・リフを盛り込みながらの粗野でスピーディな楽曲は、コーラスの“♪マーマーママママーベイベ〜”の脳内リフレイン度も高い。
03GIRLS BEST FRIEND
イントロなしの歌で始まる曲。彼らの音楽性の“ガレージ・ロック”と評される部分が、現代的なメタリック・サウンドにより表現されている。ひとり語り風歌詞でのテンションが、浮き沈みの激しいハードな曲調とシンクロする。
04MESSIN' AROUND
AC/DC? それともディープ・パープル? どこかで聴いた錯覚に陥るギター・リフが次々に鳴り響くハイ・ヴォルテージなハード・ロック作品。テンション右肩上がりの曲調の中、コーラスだけは淡々とした雰囲気をキープ。
05CHERRY LANE
アクセルをベタ踏みした得意の展開ではなく、速度を抑えた重量感ある曲展開で新たな個性の打ち出しを試みた曲。へヴィ・ロックのへヴィとも異なる楽曲の重さに、彼らの演奏がやや押され気味。時期尚早の作風だったか。
06GET UP! (DON'T FIGHT IT)
コンパクトなギター・リフとタンバリンに急き立てられるガレージ・ロック・ナンバー。徐々に加速するハイ・ピッチの曲調は鼓舞する内容の歌詞と相まり、やる気に着火。熱唱のあまり最後のほうは声が裏返っている。
07HONG KONG FURY
歌わんとする意味は不明ながら、力強く“♪ホンコ〜ン!!”とシャウトしてみせる無国籍感覚のへヴィ・ロック。他の曲よりもどっしりと大陸的に感じられるリズムが、彼らの考えるアジアン・テイストの表われなのだろうか。
08WHAT I'VE LOST
歌詞もメロディも喪失感でいっぱいのメランコリックな曲。時代も国籍も飛び越えたチャンポンなサウンドに、かつて活躍したリヴァプールのガレージ・バンド、ステアーズの作品世界に通じる無国籍感覚と哀愁が横溢している。
09YOU CAN'T FIND ME
お祭り系のギター・リフとドラミングで囃し立てるリズミックなハード・ロック・ナンバー。ヘイッヘイッ!! フ〜ウ〜ウ〜!! と盛り上げる合いの手やベタすぎるギター・ソロに、やったもん勝ちのキャッチーな達成感が。
10DON'T COME KNOCKING
80年代ハード・ロックに通じる痛快で爽快な曲調。新鮮味が希薄な曲展開だが、ここまで堂々と演じれば芸風ともいえよう。絵に描いたような速弾きギター・ソロが、往年のハード・ロック・ファンに苦笑か破顔の二択を迫ってくる。
11LUCILLE
キッス「ウォッチン・ユー」風リフとレッド・ツェッペリン風グルーヴ/節回しを合体させたハード・ロック・ナンバー。ジョン・ポール・ジョーンズがプロデュースした彼らの曲では、かなりZEP濃度が高い曲のひとつ。
12I GOT NO WORDS
ジョン・ポール・ジョーンズのプロデュースを得て、レッド・ツェッペリン的ギミックを奔放に展開。パワフルなドラミング、キャッチーなギター・リフ、ブレイクの挟み具合など、曲の各所で大量のZEP商標を確認できる。
13CHARGING RHINO
ストゥージズやMC5の影響下にあるヘラコプターズのさらに影響下にありそうな、デトロイト・ロックンロール風ドライヴィング・ナンバー。曲の後半部分での加速してさらにもう一段加速してみせる展開がかなり秀逸。
14GOOD LUCK....YOUR GONNA NEED IT
彼らと縁深い音職人、“ソニック・ニュース”ことスコット・ニュースとの共演曲で、彼らにしては珍しくハードさよりもルーズさを押し出したロックンロールを聴かせてくれる。曲題はマーキー・ラモーン作品のもじり!?