ミニ・レビュー
諏訪内は5年来パリを本拠に活躍しているが、その“成果”が成就したのがこのアルバム。フランス的な感性を身につけた演奏と思いきや、まったく固有の艶美さと優雅さ、燃えるような情念を濃密に描き出す表現者へと成長している。とりわけ「詩曲」は鳥肌が立つ美演である。
ガイドコメント
パリ在住の諏訪内晶子のフランス小品集。パリの空気が身について、諏訪内の透明感あふれる美音がフランスのエスプリを捉え、聴く人の心にスッと染み込んでゆくような自然な演奏。
収録曲
01序奏とロンド・カプリチオーソop.28 (サン=サーンス)
02ハバネラop.83 (サン=サーンス)
03ギターop.28 (ラロ)
04詩曲op.25 (ショーソン)
05シチリアーノとリゴードン (フランクールのスタイルによる) (クライスラー)
06才たけた貴婦人 (L.クープランのスタイルによる) (クライスラー)
07夢とカプリッチョop.8 (ベルリオーズ)
08ツィガーヌ (ラヴェル)
演奏
諏訪内晶子(VN) シャルル・デュトワ指揮 フィルハーモニア管弦楽団