ミニ・レビュー
女性レゲエ/R&Bシンガーのセカンド・アルバム。さまざまな音楽のエッセンスが濃縮されたサウンドに負けることのないヴァイタルな歌声に、思わずカラダが動きだす。彼女のリズミックでキレの良い唄は、同趣向のアーティストのなかでも群を抜いている
ガイドコメント
実力派シンガー、MINMIの2ndアルバム。3rdシングル「Another World」、4thシングル「アイの実」を収録。ジャマイカ、ニューヨークでも録音を行なった世界標準の1枚。
収録曲
01intro
2004年6月にリリースされた2ndアルバム『imagine』のオープニングを飾るナンバー。アタックの強いアコースティック・ピアノをバックに、ソウルフルなシャウトを聴かせる。アルバム2曲目「Another World」への期待がいやが上にも高まる1曲だ。
02Another World
哀愁漂うギターから一転してビヨンセ「クレイジー・イン・ラヴ」風のダイナミックなホーンが押し寄せるクラブ・ダンス・チューン。さりげなくレゲエの薫りを漂わせ、歯切れよくタイトに刻むヴォーカルは逸品。
03STEP
ハウスチックな打ち込みリズムをバックに、MINMIならではの壮大なスケール感をたたえたヴォーカルが楽しめるオシャレなナンバー。考え抜かれたコーラス・ワークと緻密で繊細なリズム・トラックがこの曲のキモ。
04interlude 1
2004年にリリースの2ndアルバム『imagine』の4曲目に配されたインタールード・ナンバー。明るいレゲエ・サウンドに強めのエフェクトをかけ、ラジオDJ風のアナウンスを入れたジングル風の1曲。
05アイの実
オーソドックスなレゲエで恒久の愛を歌うラヴ&ピースなミディアム・ナンバー。ジャマイカのファイア・ハウス・クルーのアレンジに乗り、花鳥風月の輝く自然の素晴らしさをMINMI流ヴァイブスで発信している。
06interlude 2
ヴォイス・パーカッションを前面に押し出したインタールード・ナンバー。重めのリズムとラップ風のヴォーカルがあいまって、切れ味鋭い1曲に仕上がっている。2ndアルバム『imagine』をトータル・アルバムたらしめている重要な曲。
07Put A Spell On U (aka MMB)feat.DOBERMAN INC
キレキレのホーン・セクションと打ち込みを多用した緻密で繊細なリズム・パターンをバックに、MINMIとDOBERMAN Incがコラボレート。MINMIの艶やかなヴォーカルにDOBERMAN Incの男らしい骨太のラップが絡み合い、新たな一面を醸し出している。
08imagine
2004年6月にリリースの2ndアルバム『imagine』のタイトル・ナンバー。リズミックな表現を前面に押し出し、想像力拡がる歌詞をソウルフルに歌い上げる。打ち込みとインド楽器をフィーチャーしたアレンジが斬新。
09interlude 3
2ndアルバム『imagine』に収録されたインタールード・ナンバー。これまでのシリアスな楽曲の雰囲気が一気に激変。男性二人のユーモラスな(漫才チックな)掛け合いが繰り広げられる。アルバムの折り返し地点としての役割を果たしているトラック。
10EVERYDAY feat.湘南乃風
男性4人組のレゲエ&ヒップホップ・グループ、湘南乃風をフィーチャーした美しいコーラスが印象的なナンバー。土着的な繰り返しのリズムをバックに、計算され尽くした掛け合いとコーラスワークが何とも楽しい1曲だ。
11HAPPY SONG 2004
タイトル通り、なんとも幸せな気分になれるポップなレゲエ・ナンバー。伝統的なレゲエのリズムとさりげなくちりばめられている打ち込みのエフェクトが絶妙にブレンド、MINMIのハートフルなヴォーカルを包んでいる。
12Who's Theme
全編を通して流れるハミングのコーラスが美しく切ない、心静まるバラード・ナンバー。思いを抱く男性への感情、眠れぬ夜の長い時間、女性なら誰しも体験するであろう心の内を歌い上げた1曲だ。
13四季ノ唄
琉球調フレーズをフックに配したり古語をブリッジに使用したりと、古来から流れるたおやかな時の流れを見事に現代の和風レゲエ・ポップスとして昇華させている。時と時、人と人を結びつける力が漲るナンバー。
14Just a woman
愛する男性への思いを訥々と歌い上げる幸せに満ちたラブ・バラード。感情を過剰に表現することなく、静かに表に出しながらも溢れる思いは、ヴォーカルの端々からにじみ出てくる。恋する女性ならば一発でKOされること請け合い。
15STEP feat.TAKAFIN
2ndアルバム『imagine』の3曲目に収録された同名曲のリミックス・ヴァージョン。よりハウスチックに、よりテクノ風味を強めたアレンジをバックに、MINMIのヴォーカルと男性ラッパーの激しいライムが絡み合う。
16independent ★ Woman (MINMI&PUSHIM)
複雑に入り組んだリズム・トラックと美しいコーラス・ワークが印象的な切れ味の鋭いナンバー。日本語でありながら、まるで英語のように聴こえる歌詞の配置と表現は何とも見事。夏のドライブにもピッタリ。
17The Rock City (MINMI&VADER)
VADERのダミ声ラップとMINMIの透明感溢れるヴォーカルが対照的に絡み合うヒップホップ・ナンバー。日本全国の地名を散りばめたユーモラスな歌詞と、VADERがぶちかます男気溢れる骨太ラップが楽しい1曲。
18outro
ヴォイス・パーカッションをメインにした24秒の「Outro」ののち、約7分そのまま待っていると現われる隠しトラックがその正体。ラジオDJ風のアナウンスがアルバム『imagine』を振り返るスタイルで最後をビシッと締める。