ミニ・レビュー
2000年4月に結成されたバンド、フジファブリックのシングルの第1弾“春盤”に続く、第2弾“夏盤”がこの「陽炎」。勢いと轟音まかせのロック・サウンドではなく、ピアノをフィーチャーした、趣向を凝らされたサウンド・プロダクションが心地よく響く楽曲だ。
ガイドコメント
メジャーからのシングル第2弾は、“春盤”の「桜の季節」に続く“夏盤”の「陽炎」。夏に経験しがちな淡い想いとその残像を叙情的に歌う。ライヴで絶賛の秀作が、ついにリリース。
収録曲
01陽炎
胸を締めつけるような淡い懐かしさが漂うナンバー。疾走感のあるサウンドは、夏の記憶を鮮やかにフラッシュバックさせ、記憶の片隅を絶妙に掘り下げてくる。足軽に弾むクリアなキーボード音が爽やかさを演出し、曲をグイグイ引っ張っていく。ヴォーカルも切ない感情をストレートにぶつけていて、非常に耳あたりが良い。
02NAGISAにて
どこか懐かしさを感じる慕情系メロディで、意のままに疾走するアップ・テンポのトラック。波打つようなゆらゆらとしたギターが、不安で震える想いと海のざわめきを表わしているようだ。ピコピコと鳴くキーボードも一見浮いてるようだが不思議とマッチして、奇妙な魅力を放っている。詞も「和」の香りが漂う内容で、感情移入してしまう。