カーネーション / カーネーション・イズ・ザ・グレイト・ロックンロール・バンド! [2CD]

アーティスト：
カーネーション
原題：
CARNATION 20TH ANNIVERSARY "BEST" ALBUM CARNATION IS THE GREAT R&R BAND! - C-SIDE OF CARNATION -
ジャンル：
国内ロック＆ポップス
レーベル：
ジャパン
規格品番：
TKCA-72703
価格：
3,143 円（税込）
発売日：
2004/08/25
取り扱い店：

ミニ・レビュー

結成20周年を記念し、レーベルの枠を超えて全キャリアを網羅した2枚組全30曲。カーネーションというとどうしても、一筋縄ではいかない、ビターなポップ・センスに注目が集まりがちだが、選曲の関係からか、ここには男気あふれるロック・バンドとしての姿が刻まれている。

ガイドコメント

結成20周年を迎えたカーネーションの熱く深いR&Rの歴史を紐解く、30曲入り2枚組のベスト・アルバム。徳間時代の音源を中心に、初期のナゴムやコロムビア、カッティング・エッジの音源も加えた集大成的作品。

ニュース

カーネーション、8月の3タイトルに続きアナログ盤も
（2004/08/10掲載）
結成20周年を迎えたカーネーションのベスト盤
（2004/07/05掲載）

リサーチ

ヒューマンアカデミー／ヒューマンリソシアで使用されている曲は？
（2004/08/30掲載）

チャート

TOWER RECORDS　ジャパニーズロック&ポップス　アルバム
14位（2004/8/23）

収録曲

[Disc 1]

01YOUNG WISE MEN

1stアルバムのタイトル曲。アコギのタイトなコード・ストロークが映える洋楽テイストのポップ・ロック・ナンバーで、若かりし直枝政広の芯のあるヴォーカルを堪能できる。シンプルに聴こえるが曲構成は意外と複雑。

02ごきげんいかが工場長

不器用な生き様を描いた歌詞が味わい深いミディアム・ポップ・ナンバー。Aメロの旋律の方が印象に強く、サビは工場を連想させる機械的なサウンドを取り入れることで無機質な響きになっている点が面白い。

03愛しのリボンちゃん

ファルセットを多用した8ビート・ポップ・ロック。“ウーラララ～”に象徴されるチャーミングなサビや要所でスムーズに曲をつなぐシャレたサックス・ソロ、気の利いた転調など、彼らのセンスの良さが際立っている。

04ゴング・ショウ

3拍子シャッフル基調のブルース・ロック・ナンバー。奔放にソロを弾き続けるギターや犬の遠吠えにも似たコーラスをバックに直枝政広のパンチの効いたワイルドなヴォーカルが展開される。唐突なエンディングもユニーク。

05ロック・ゾンビ

ネジが1本ハズれたような突飛な歌詞が魅力の疾走ハード・ロック・ナンバー。サビでは子供のように無邪気に叫ぶ楽しげなコーラスが入るなど、ユーモアも忘れていない。ギター・リフのカッコ良さは特筆に値する。

06モーレツな人モーレツな恋-うちにかぎってそんなことはないはず-

森高千里へ提供した軽快ポップ・ロック・ナンバーのセルフ・カヴァー。イントロの「いろいろどうもありがとう」から執拗に繰り返す“Oh Yeah”や“まいった”まで、森高の参加が楽曲に華と“笑い”を添えている。

07パーキング・メーター

粋なベンドを効かせたシンセやワウ・ギターのカッティング、3拍子を交えたAメロ導入フレーズなど、語彙の豊富なアレンジが光るミディアム・ファンク・ロック。ギターからオルガンへと続くソロも聴きどころ。

08からまわる世界

3rdアルバム『エレキング』の冒頭を飾る重めのシャッフル・ロック。後ノリのドラムが曲全体を一層ヘヴィにするが、ギターとユニゾンを歌うAメロからサビに至るまでヴォーカル・ラインは一貫してメロディアスだ。

09ファームの太陽

ブラス・セクションを迎えたファンキーなピアノ・ロック。随所でピアノやギターとユニゾン・フレーズを弾くベースが強調されているのが特徴的。ドラム以外の楽器が同じフレーズを一斉に奏でるエンディングは圧巻。

10学校で何おそわってんの

グルーヴィなファンク・ロック。攻撃的で荒々しい印象のヴォーカルだが、息の合った綺麗なハモリを見せるなど、実は丁寧に作り上げられている。重厚なブラスの加わった16分音符のキメ・フレーズは切れ味が抜群だ。

11The End of Summer

ダンサブルなポップ・ロック。ライヴ会場の歓声をサンプリングして使用しているほか、アメリカ民謡「アルプス一万尺」のフレーズも登場する。歌詞は夏というよりは青春時代の複雑な感情のようなものをテーマにしている。

12地球はまわる

バウンス系16ビートのファンク・ナンバー。スペーシーな効果音を多用した曲前半のAメロや女性コーラスとブラスが加わった賑やかなサビ、ジャズ仕立ての2つ目のサビなど、内容盛り沢山なので演奏時間も7分半強と長い。

13ダイナマイト・ボイン

ピアノの連打が印象的な8ビート・ロック。歌詞はまったくフザけていないがサウンドはなぜかユーモラス。“Yippy Yo”や“メチャかわいい”などの歯切れの良いフレーズとひときわキャッチーなサビが聴きどころ。

14アイ・アム・サル

ワウ・ギターのカッティングとシャープなブラスが光るグルーヴィなファンク・ポップ。“I am サル”と“Happy Bithday”の掛け合いや15回繰り返す“Go”など、リズムを重視した歌詞に注目。

15ローマ・函館

世界各地に住む“恋人”に思いを馳せるポップ・ロック・ナンバー。リズミカルな8ビートが心地よいAメロからコーラスの美しいサビまで、比較的オーソドックスな展開を見せる。歌詞中には各国の名前が登場する。

16Love Experience

ベースとブラス・セクションのスタッカートが心地よい8ビート・ポップ。リズミックなキメ・フレーズが繰り返されるAメロからは想像がつかないほど盛大なクライマックスで、そのドラマティックな展開が味わいどころ。

[Disc 2］

01ハイウェイ・ソング

ソリッドなピアノ・ロック・チューン。人生をハイウェイになぞらえ「おれはこの道でゆこう」と決心する歌。スライド・ギターとヴォーカルのユニゾンやドラムのタイトなフィル・インなどが曲全体を引き締めている。

02Rocket Of Love

粒の揃ったドラムのフィル・インで始まるハード・ロック・チューン。全体的にシンプルなアレンジだが、ベースとギターによるユニゾンが多いためかヘヴィな印象が強い。作曲はドラムの矢部浩志が手掛けている。

03Something's Coming

ピアノとオルガンのバッキングを主体とした軽快なロック・ナンバー。次第に存在感を増していくゴスペル・テイストの派手なコーラスが聴きどころ。目立たないがギターはベースと同じフレーズを低音で弾いている。

04ドラゴン・シャフト

香港映画のようなスケールの大きいイントロで幕を開けるロック・チューン。“カン・フーシャンプーサルサにピンポン”など、リズムを重視した歌詞がユニーク。サビ裏のメロディアスなカウンター・リフにも注目したい。

05クエスチョンズ

直枝政広がダミ声を披露するロックンロール・ナンバー。グイングインと波を打つギター・リフや“Hey Hey”を繰り返すだけのサビが特徴的。骨組みはシンプルだが、盛大なサウンドと勢いで聴き手を圧倒する。

06Hello、Hello

スムーズな16ビート・ポップ。セクシーな表情のAメロ、早口気味に語るように歌うBメロ、エモーショナルに叫ぶサビと、直枝政広のヴォーカルを堪能するためのような1曲。意表を突くエンディングもユニークだ。

0760wはぼくの頭の上で光ってる

ふにゃふにゃのシンセや上下の激しい早口メロディなど、とにかく強烈なインパクトを放つ、抱腹絶倒のポップ・ナンバー。大いに笑えるが、高い演奏技術と抜群の歌唱力があって初めて表現できるレベルの高い1曲だ。

08ハッピー☆アンラッキー

ブギウギ・テイストのご機嫌なイントロで始まるピアノ・ロック。軽快なギターやビーチ・ボーイズ風コーラスなど、サウンドは極めて賑やかだが、歌詞はとても悲しい。ブリッジのヴォーカルは佐野元春のような響きだ。

09アンブレラ

痛快な8ビートのロックンロール・ナンバー。サビ終わりのドスの効いたシャウトや、もはやパンクの域に達しているピアノの激しい連打などが聴きどころ。エンディングへ向かう異様な盛り上がりは圧倒的な迫力だ。

10Funny

“Let's go”を繰り返すバックのシャウトと終始低音域で抑え気味に歌うメイン・ヴォーカルのコントラストが絶妙な、パンキッシュなピアノ・ロック。サビのコードは1つ、サビ・メロディも1音のみと極めて斬新。

11LEMON CREME

エフェクト加工したドラムで始まるファンキー・ロック。直枝政広のセクシー・ヴォーカルとオリエンタルなギター・フレーズが独特の世界観を創出。“優雅な真紅の雨に濡れ”など、サビの歌詞だけ和風なのもユニークだ。

12MOTORCYCLE&PSYCHOLOGY

10thアルバム『LOVE SCULPTURE』の冒頭を飾るデジタル・ロック・チューン。爽やかなコーラスを交えて心地よく上昇するサビは絶品。ドラムの矢部浩志が作曲しているのにドラムレスという点も面白い。

13OOH! BABY

冒頭からベースがメロディアスなラインを奏でる16ビートの良質ポップ・ナンバー。丁寧に歌い上げるヴォーカルとスムーズなコード進行に大人のセンスが感じられる。直枝政広は“ガレージ・ソウル”と命名したとか。

14LOVERS & SISTERS

優雅なストリングスをフィーチャーしたオシャレ・ポップ・チューン。不思議なコード進行により独特の浮遊感を有するAメロが特徴的。直枝政広のR＆Bシンガーばりのセクシーなヴォーカルがなんとも素敵！

15It's a Beautiful Day～Edo River～Garden City Life （2004 Live Medley Version）

2004年5月の渋谷CLUB QUATTRO公演で披露されたメドレー・ナンバー。3人編成とは思えないような厚いサウンドとライヴならではの臨場感が味わいどころ。一気に雰囲気を変える3曲目へのつなぎに注目だ。

16夜の煙突（2001 Live Solo Version）

84年9月に発表された記念すべきインディ・デビュー曲をアコギの弾き語りで披露したライヴ音源。直枝政広の「一緒に歌って下さい」の後に女性客が歌いはじめる箇所が実に美しい。森高千里のカヴァーでも知られる名曲。

［2］(15)(16)ボーナストラック

アーティスト

カーネーション
日本のロック・バンド。前身の“耳鼻咽喉科”を経て、直枝政広（vo,g）を中心に1983年に結成。翌年、シングル「夜の煙突」でデビューを果たす。88年にはアルバム『Young Wise Men』でメジャーへ進出。翌年、森高千里のアルバム『非実……

同時発売作品
カーネーション/For Beautiful Columbia Years 1994-2000 The booby show and clips〈2枚組〉 [DVD]
COBA-50823～4 5,028円（税込） 2004/08/25 発売

94年から2000年までのコロムビア在籍時代の映像をまとめたアイテム。98年にリリースのライヴ・ビデオに初パッケージ化のビデオ・クリップ集を合わせた2枚組。……