ミニ・レビュー
東芝EMI移籍後第1弾となるアルバム。プロデューサーに亀田誠治を迎えて生み出されたナンバーはどれも切なくキラキラ感で一杯。デビュー当時の彼らをふと思い出すほどの鮮烈なインパクトを放っている。既発スマッシュ・ヒット(2)(3)(7)(12)ももれなく収録。
ガイドコメント
亀田誠治プロデュースによる移籍第1弾アルバム。グルーヴ感満点のサウンドは突出しており、ロック・バンド、SOPHIAの原点回帰と言える作品だ。「旅の途中」など4曲のシングルも収録。
収録曲
01青空
レコード会社移籍後初のアルバム『EVERBLUE』のオープニング曲。タイトルにふさわしく、青空のような透明感を持つ流麗なストリングスと高鳴る鼓動のようなビート感を大切にしたサウンドは、バンドの真っすぐな姿勢を表現しているよう。また感情豊かな松岡のヴォーカルは、サウンドとともにじわじわと心に染み入ってくる。
02please、please
シングル3週連続リリースの第2弾。第1弾「旅の途中」の爽やかなバラードとはうって変わり、ロックンロール炸裂のナンバー。「ダンス天国」を彷彿とさせるような間奏と、オールディーズ調のアレンジが60年代を感じさせる。
03花は枯れて また咲く
シングル3週連続リリースの第3弾。SOPHIAの原点とも言える、明るさの中に哀愁が漂うメロディ・ラインと、ヴォーカル松岡充による、心の小さな痛みを刺激する歌詞が凝縮されている。シングル3枚の集大成。
04ブルーテーブル
ベース・黒柳作曲のダブっぽいベース・ラインがフィーチャーされた一曲。そこにエレクトロニカの要素をさらにプラスしたやわらかいヴェールをまとったメロウな音像は、ソフィアの楽曲では新境地ともいえるテイストだ。また耳元でささやかれてるような息づかいのはっきりとした歌声も、心地よい浮遊感を演出している。
05hello、good-bye
9thアルバム『EVERBLUE』収録曲。失って初めて気づく大切なひとの存在。すべての出会いを大切にしたくなるようなメッセージが込められた歌詞が秀逸。そんな世界観を包み込むメランコリックで切ないメロディが温かく響くバラードは、そっと紡ぎ出されるピアノの旋律でその切なさをさらに盛り上げている。
06情熱のプライド
9thアルバム『EVERBLUE』収録曲。グルーヴ感たっぷりの骨太なサウンドとロックするピアノの力強さが絡まった、ダイナミックなロック・チューン。奇をてらわず投げかけられる真っすぐなメッセージは、青春パンクに通ずるような情熱と真剣さを持ちあわせている。ロック・バンドの真髄が感じられる一曲。
07青い季節
26thシングルは、映像作品集『everblue films-1』収録の彼らの主演映画「青い季節」テーマ曲。青さゆえの強さや悲しみを乗せて駆け抜ける、スピード感たっぷりのサウンドは、青春真っ盛りの10代の頃の気分を思い出させてくれる。日常で忘れがちなさまざまな感情が詰め込まれたテンションの高い一曲。
08綺麗なメロディー
9thアルバム『EVERBLUE』収録曲。タイトルからはバラードが想像できそうな雰囲気だが、“綺麗なメロディー=きれいごと”とかけたシニカルな内容。ギター・カッティングがかっこいいクール&サイケデリックな音世界は、SOPHIAの新たな一面を見せてくれる。どことなくニヒルな男のにおいがするワイルドな一曲。
09Yes、attention
9thアルバム『EVERBLUE』収録曲。スウィングするピアノ、ダイナミックなリズムが最高にごきげんな空間をつくりだしたネオ・ロカビリー・ナンバー。にぎやかなギャルのコーラスや陽気なハンドクラップに、人生を皮肉ったコミカルな歌詞をうまく乗せている。SOPHIAのユーモラスな毒っ気が炸裂した一曲。
10your side
9thアルバム『EVERBLUE』収録曲。力強いロック・サウンドながらもノスタルジックなピアノ・アレンジにより美メロが耳に残りやすいミドル・テンポのラヴ・ソング。“この手は離さない 僕がいる”なんてストレートな言葉……言われてみたい! そんな婦女子は多数いることでしょう。甘い気分に浸りたい時にぴったりのナンバー。
11GOD BLESS
楽曲全体を縦横無尽に駆け抜けるメロディアスなギター・リフに応えるように、すべての楽器が楽しそうに躍動するグッド・メロディ、グッド・ヴァイブスなロック・ナンバー。“悲しみを受け止めてそれでも優しくなれた時、救いの神様は現れる”という前向きな歌詞が明るい曲調とともにリスナーを晴れやかな気分にさせてくれる。
12旅の途中
レコード会社移籍後第1弾シングルにして、シングル3週連続リリースの第1弾でもある。伸びやかなミディアム・テンポのバラードに仕上がっているこの曲から、肩肘を張らない自然体の彼らを感じられる。