ミニ・レビュー
道を歩いていて立ち止まると、季節の変化に気づきふいに感傷的になったりする。シングル「秋盤」はそんな秋の切ない雰囲気を巧みに表現。ゆったりした哀愁メロからスピーディに転調するアレンジの妙も光る。(2)はアコギ基調。コーラス・ワークも映える。
ガイドコメント
春盤「桜の季節」、夏盤「陽炎」に続くシングル第3弾は、秋盤「赤黄色の金木犀」。カップリング曲「虫の祭り」ともども、切なさと日本情緒の見事に調和した好楽曲だ。ライヴ映像も収録。
収録曲
01赤黄色の金木犀
季節のきめ細かな描写が美しい哀愁歌。今作で描かれているのは秋。得意とするセンチメンタル・サウンドには、よりいっそうの磨きがかかり、聴き手の心をダイレクトに捉える。誰もが感じたことのある心情や風景を、不意打ち気味にフワっと思い出させるようなメロディには、浸らずにはいられない魅力があふれている。
02虫の祭り
情緒深い秋の香りにのせて送る、温かみも持ち合わせた切ないバラード。ゆっくり丁寧に言葉を紡ぐヴォーカルに、哀愁を帯びたメロディが優しく寄り添い、シンプルながらも奥行きの感じる楽曲に仕上がっている。何気ない日常の1コマの風景を、ここまでの曲にしてしまう彼らの才能。改めて凄みを感じるばかりだ。