ガイドコメント
メジャー4枚目。前作でエモコアという枠を取っ払い、スケール・アップした彼ら。本作はピクシーズ作品で知られるギル・ノートンをプロデュースに迎え、よりハードなサウンドを聴かせてくれる。
収録曲
01FUTURES
ラウドでダイナミックかつメロウなサウンドには、すべての負の要素を吹き飛ばしてしまうような強さと勢いがある。胸が打ち震える抜群のハーモニーも満載で、アルバム『フューチャーズ』冒頭からメロディの素晴らしさが実感できる名曲。
02JUST TONIGHT...
哀愁と切なさを伴ったメランコリックなメロディとエモーショナルなギターが耳に残る、疾走感満点の楽曲。感情豊かなヴォーカルが、いつまでも断ち切れない関係に悶々とするいら立ちややりきれなさをリアルに伝える。
03WORK
リズ・フェアがバック・ヴォーカルで参加した、王道ロックの哀愁と高揚感を持ち合わせた名曲揃いの『フューチャーズ』の中で、ひときわ輝きを放っているナンバー。彼らのメロディメイカーとしての才能を再確認せずにいられない。
04KILL
陰りを帯びたメロディをたたえた、シンプルなアコースティック調のナンバー。男女間の愛憎劇を赤裸々に綴ったストーリー仕立ての詞の世界観を見事に表現した表情豊かなヴォーカルに、ジムの成長がうかがえる。
05THE WORLD YOU LOVE
キラキラしたポップなメロディと温もりや優しさを感じさせるミドル・テンポの楽曲は、典型的なJEW節。晴れわたった空やきらめく海など、壮大な自然のような広がりを感じさせる展開の心地よさは、他では味わえない。
06PAIN
マイ・ケミカル・ロマンスに通じるダークかつロマンティックな世界観と、強烈に耳に残る即効性抜群のサビが印象的なリード・トラック。これまでになかったタイプの異色のナンバーで、新境地に果敢に挑むチャレンジ精神を感じさせる。
07DRUGS OR ME
デヴィッド・キャンベルによる絶妙なストリングス・アレンジが効いた、白昼夢のような世界が聴き手を包みこむ。だが、その心地よい感覚はドラッグがもたらしたもので、実はここから抜け出したい、という救済の願いが込められたヘヴィなナンバー。
08POLARIS
恋人に対する誠実な想いと涙でいっぱいの心をストレートに表わした歌、繊細でナイーヴで静かなのに感情を揺さぶる音。じっくりと向き合いたい佳曲だ。彼らが「エモ」の代表格と言われるのはこういう楽曲を書くからだ、と思わずにはいられない。
09NOTHINGWRONG
音楽を使い捨ての消耗品として扱う、腐敗した音楽シーンの現状を皮肉ったリリックが秀逸。パワフルなドラムとラウドなギター、そして怒りを露に警鐘を鳴らすヴォーカルとコーラスが一丸となって危機感を煽る。
10NIGHT DRIVE
美麗なコーラスやアコギ、鍵盤を導入した、浮遊感たっぷりのドリーミーなナンバー。ささやきかけるようなヴォーカルとゆらめくサウンドが、夜の蒼い空気の中で微妙に揺れ動く気持ちを表現している。
1123
叶わぬ恋を断ち切ることができずに苦しみながらも、どこかで一縷の望みを託す。片思いをしたことがある人なら共感できる想いが切々と綴られた、心の芯にじわじわと染みるスロー・ナンバー。
12SHAME
どこまでも広がっていくような奥行きのあるサウンドは、波間にゆらゆらと漂っているような心地よさ。どこかナイーヴで不器用そうな歌唱とパワー・ポップ級のメロディは、ウィーザーを彷彿とさせる。
13WHEN I WANT
爽やかなアコースティック調のサウンドと甘酸っぱいメロディに癒される、JEWの王道をいく心温まるナンバー。淡いタッチで丁寧に描かれた水彩画のような世界観に浸れば、幸せな気分になれること間違いなしだ。
14YOU
一度聴いたら覚えてしまうほどキャッチーで、内省的な切ない情感を含ませたマイナー調のメロディと叩きつけるようなドラムが躍動するアグレッシヴなナンバー。いつもより男っぽい表情を見せるサウンドが新鮮だ。
仕様
エンハンストCD内容:シークレット・ウェブへのリンク