ミニ・レビュー
純直な歌唱が健康的すぎな感もあるが、北川の叙情的な、岩沢の奔放で前向きな詞曲のバランスが絶妙。二胡や楊琴を用いた(5)、ホーン・セクションが効きリズミカルな(7)、モータウン風の(12)と懐は深い。最後は2004年夏の五輪に花を添えた(13)で、とは決まりすぎです。
ガイドコメント
NHKアテネ放送テーマ・ソングとなった「栄光の架橋」などシングル5曲を収録した、ゆずのアルバム。これまでに以上に大らかな、力強いサウンドを鳴らしてくれる。
収録曲
01わだち
021
03シュミのハバ
悩みはいつも絶えないもの。些細なことで悶々としてしまう、例えば趣味の幅とか。岩沢厚治のちょっとひねくれた視線で描かれた一曲で、スコーンとぬけの良いスネアとバンド・アレンジがノリ良く聴かせる。6thアルバム『1〜ONE〜』収録。
04桜木町
彼らが待ち合わせやストリート・ライヴでよく利用していた桜木町駅が、みなとみらい線の開業にともない廃止されることを憂い、さまざまな思い出をラヴ・ソングに仕立て上げた一曲。アレンジは松任谷正隆。
05白鳥
06ウソっぱち
07積み木ゲーム
08命果てるまで
09歩行者優先
2003年発表の19thシングル。ここで歌われる「歩行者」とは、夢を持ち前向きに一歩ずつ進む人のこと。岩沢の自問自答、葛藤を託したミディアム・スローのナンバーで、全編岩沢がリード・ヴォーカルをとっている。
10夏祭り
11蛍光灯の先
12夢の地図
往年のモータウン・サウンドのようなファンキーな曲調と北川らしい前向きで等身大の歌詞が合わさった試行錯誤がうかがえる一曲。ストリングスとホーンのアクセントが要所で効いて、アッパーな気分を盛り上げる。
13栄光の架橋
NHK『アテネオリンピック』の中継テーマ・ソングとして大ヒットした、2004年発表のシングル。アスリートたちの苦闘、そして栄光を歌った感動的な一曲で、松任谷正隆による壮大なストリングス・アレンジが胸を揺さぶる。