ガイドコメント
87年発表、ゲフィン移籍第2弾の通算13枚目のアルバム。ドラッグ一切抜きの100%フィジカルな状態で制作され、全米チャート3位「エンジェル」もあって大ヒット。ビートルズのカヴァー「アイム・ダウン」も収録。
収録曲
01ハーツ・ダン・タイム
サイレンに導かれてスタートするパワフルなロックンロール・チューン。ルーズなギターとタイトなドラミング、のっけからハイ・テンションなヴォーカルが一体となり、エアロスミスならではのハード・ロック・ワールドを作り上げる。
02マジック・タッチ
パワフルでタイトなドラムスとシンプルなギター・リフで幕を開けるロックンロール・ナンバー。メロディアスでキャッチーな曲調ながら、骨太なハードネスも兼ね備えているところがエアロスミスならでは。
03ラグ・ドール
04シモライア
軽快なギター・リフを持つライトなノリのハード・ロック・ナンバー。スティーヴン・タイラーのヴォーカルもいい意味で力が抜けている……と思いきや、やはりサビでは強力なシャウトをキメてくれる!
05デュード
06セント・ジョン
黒人音楽からの影響が色濃い、いぶし銀のブルース・ナンバー。シンプルながらグルーヴィなロックンロールとしても見事に完成されており、随所に挟み込まれるギター・ソロがまた骨太でなんとも渋い。
07ハングマン・ジューリー
アコースティック・ギターとブルース・ハープの絡みが味わい深いカントリー調のナンバー。シンプルな前半からはアメリカのルーツ・ミュージックからの影響が強くうかがえるが、後半には力強いグルーヴがグッと前へ出てきている。
08ガール・キープス・カミング・アパート
キャッチーでノリのいいロックンロール・チューン。跳ねるリズムに乗ったラップ調でもあるヴォーカル、ファンキーさを演出するホーン・セクション、ハードなギター・ワークが見事に一体化されている。
09エンジェル
10パーマネント・ヴァケイション
骨太のギター・リフを持った“いかにもエアロスミス”なロックンロール・チューン。70年代の初期エアロに通じるパワフルなグルーヴとストレートなヴォーカルの感触は、低迷期からの完全復活を印象づけた。87年発表作のタイトル曲。
11アイム・ダウン
エアロスミスお得意のザ・ビートルズのカヴァー。ソリッドなギター・ワークによって、ややハードな印象があるものの、基本的にはオリジナルに忠実なアレンジになっている。うまく力の抜けたコーラス・ワークも絶妙だ。
12ザ・ムーヴィー
固い音色のベースから始まるヘヴィなインストゥルメンタル・ナンバーは、全編がダークな雰囲気で支配されている。さまざまな言語による女声(日本語もあり)が挿入されたりして、どこか異質でプログレッシヴなムードを漂わせている。