プラシーボ / ワンス・モア・ウィズ・フィーリング-シングルズ 1996-2004 [CCCD] [廃盤]

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プラシーボ / ワンス・モア・ウィズ・フィーリング-シングルズ 1996-2004 [CCCD] [廃盤]
CD
ミニ・レビュー
英国ロック・シーンで、個性的なサウンドで人気のロック・バンドによる、初のベスト盤。ブライアン・モルコのカリスマ性、エッヂの効いたユニークな音楽性など、このバンドの魅力は数々あるが、一番は何といってもその一徹さではないかと改めて感じさせられた。
ガイドコメント
ブライアンの世間を騒がす言動でも有名な3ピース、プラシーボが初のべスト・アルバム。アルバム4枚からのヒット曲の数々に新曲を加えた好編集で、切れ味鋭いサウンドが再確認できる。
収録曲
0136 DEGREES
歌詞に描かれる怖れや閉塞感に、高音ギター・リフと足早なリズムで追い討ちをかける、内向きのギター・ロック・ナンバー。随所に響くドンドコと不揃いに跳ねるドラミングが印象的。終盤での歌詞の言葉遊びもユニーク。
02TEENAGE ANGST
曲題どおり十代の不安を描いた曲。“生まれた時から崩れ始めた”の逆説的一節に象徴されるように、よくある青臭さとは一線を画す“後ろ向きの前向きさ”が散見。キャッチーな曲調に深々とした暗さが潜む。全英30位。
03NANCY BOY
ブライアン・モルコの同性愛やドラッグ体験があけすけに描かれたインモラル作品。トリッキーで無秩序なポップとは言い難い曲調だが、なぜだか不思議と耳に残る。全英4位のヒットで、バンドの知名度は急上昇。
04BRUISE PRISTINE
タイトなバンド・サウンドが、例によって不規則な疾走を見せるプラシーボらしい一曲。冷ややかで悲観的なこの負け犬ソングにだけ、不似合いに男臭い邦題が付けられたのは今もって謎。97年の再発時に全英14位を記録。
05PURE MORNING
硬質なインダストリアル系サウンドのリフレインで支配された個性的作品。メロディらしいメロディもない曲調のため、歌ではなく呪文を聴いているような気分にすらなる。ギター・ノイズが被さる終盤はひときわ催眠的だ。
06YOU DON'T CARE ABOUT US
キャッチーなメロディを非キャッチーなアレンジで聴かせるへそ曲がりギター・ロック。テンポ、サウンド、歌詞の押韻までも軽快ながら、不規則に変化する凝ったアレンジが凡庸なカタルシスを遠ざけている。全英5位。
07EVERY YOU EVERY ME
起承転結ほどの起伏もない簡素な曲調だが、一語一語がサウンドに一体化した歌詞は、サビのリフレインを鮮烈に印象付ける。数種のミックスが存在するこの曲だが、本作はシングル・ミックスだ。全英11位。
08WITHOUT YOU I'M NOTHING
他者との共存の難しさと、共存なしではいられない自身の痛し痒しな煩悶を歌った曲。デヴィッド・ボウイとのデュエットが聴けるシングル・ミックスで、妖艶×妖艶な歌唱に緊張感も漲る。訴求力充分もヒットには到らず。
09TASTE IN MEN
不穏な曲調に、ピンク・フロイド「光を求めて」(1968年)の序盤を連想せずにはいられないグラマラス・ファンク。硬質なサウンドと跳ねるリズムが合致した陰陽一体の作品で、いつになく歌詞の分量は少なめだ。全英16位。
10SLAVE TO THE WAGE
ペイヴメント「Texas Never Whispers」がサンプルに使われており、ニューロマンティック×ペイヴメントの珍味が堪能できる。妖艶でポジティヴな曲調が退屈な日々からの逃走を後押しする個人主義礼賛作品。全英19位。
11SPECIAL K
ドラッグと恋愛の抗いがたい魔力が暗喩を織り交ぜ語られる二重構造の歌詞。リノリウムのキャロライン・フィンチが変名で参加した“パラッパッパッパ〜♪”のコーラスが耳に残る、いささか明るめのギター・ポップだ。
12BLACK-EYED
自虐的な物言いを並べた歌詞で児童虐待を逆説的に否定した意欲作。サビでの解放感が希望を感じさせるギター・ロック・ナンバーで、プラシーボ作品における準主役的存在のリズミカルなドラミングも魅力的に跳ねている。
13THE BITTER END
「この世の果てでまた会おう」と歌う、ダークでグラマラスな雰囲気の一曲。タイトなアンサンブルによるストレートなロック・ナンバー。さながらゴシック趣味の初期U2とでも形容したくなる独特の味わいがある。全英12位。
14THIS PICTURE
胸で煙草をもみ消す“人間灰皿”が登場するサドマゾ&フェティッシュな歌詞は、実際に俳優ジェームス・ディーンがその筋の人だったとするゴシップがベースになっているよう。もろさと美しさを併せ持った繊細な曲調だ。
15SPECIAL NEEDS
立体的かつ映像的なサウンド・プロダクションにより、リリカルなメロディがなおのこと魅力を増す美麗バラード。押し引き巧みな展開に、思い浮かぶはピンク・フロイドの作品世界。プログレッシヴ・ロック的魅力が横溢している。
16ENGLISH SUMMER RAIN
世のエレクトロクラッシュ・ムーヴメントに呼応したエレポップ・ナンバー。元来がリズミックなバンドなだけに、ギター・ロック×ダンサブルなアプローチにも付け焼刃な印象は希薄。抑え気味の躍動感が妖しげに魅力的だ。
17プロテージュ・モア- PROTネGE MOI -
「プロテクト・ミー・フロム・ホワット・アイ・ウォント」(2003年)のフランス語ヴァージョン。全編フランス語での歌唱だが、サビだけは英語。ゲストのサイモン・ブリードが吹くハーモニカが終盤のカタルシスを後援している。
18I DO
ミニマルで幻惑的なサウンド・プロダクションとキャッチーなメロディが一体化したストレートな物言いのラヴ・ソング。歌詞中に“資生堂”が登場するのは、ブライアン・モルコが同社のコスメ用品を愛用しているため。
19TWENTY YEARS
しっとりとデカダンスな歌唱による艶やかなミディアム・ナンバー。「あと20年ある」と歌う一節が、メランコリックな曲調の効果で「あと20年しかない」ように感じられ、プツリと訪れる余韻なき幕切れも、それに拍車をかけている。
20WHERE IS MY MIND
ラジオ番組用のスタジオ・ライヴにて披露されたピクシーズのカヴァーで、冒頭にはブライアン・モルコの曲紹介も。原曲の引き攣れたような雰囲気を下敷きに、持ち前の妖艶さを加味。そこはかとない透明感も感じられる。
(20)ボーナストラック
封入特典
  • 解説,全曲歌詞・対訳
アーティスト
  • プラシーボ(ALTERNATIVE ROCK / Brian Molko / GBR / 1994)
    1994年に英国ロンドンでブライアン・モルコ(vo、g)を中心に結成された3人組ロック・バンド。グラム・ロック風の妖艶なゴシック・メイクと90'sインディ・ロックが混在したサウンドが話題を呼び、96年シングル「ナンシー・ボーイ」でデビューし……
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