ミニ・レビュー
2004年のツアーをステップに制作された5年ぶりのアルバム。息の合ったコーラスの見事さはそのままに、より大人になったしっとりとしたバラードを核に洗練された作品に仕上げた。CDを一口かじれば清涼感あふれるポップスが口一杯に広がるはずだ。
ガイドコメント
スーパー・アイドル・グループによる『ブラック&ブルー』から約5年ぶりのオリジナル・アルバム。本作でも彼らの最大の魅力である甘いコーラスが存分に楽しめる。ポップでハイセンスな楽曲を収録。
収録曲
01INCOMPLETE
アルバム『ネヴァー・ゴーン』からの1stシングルにもなったドラマティックなナンバー。「君がいないと僕は不完全になっていくだけなんだ」と歌われる、情熱的な思いが込められたラブ・ソングだ。
02JUST WANT YOU TO KNOW
ロック色の強いナンバーで、メンバーのうちでも特にニックのスタイルを前面に打ち出した作品といえそうだ。この曲はサビでの一体感あるヴォーカル・ハーモニーで盛り上がる部分が一番の聴きどころだろう。
03CRAWLING BACK TO YOU
ブライアンのドラマティックなヴォーカルが印象的なナンバー。一度手放した愛を取り戻そうと必死で彼女に懇願する男の唄で、切なくも情熱にあふれた歌詞とメロディ、ハーモニーが一体となって胸に迫ってくる。
04WEIRD WORLD
ソロ・プロジェクト、ファイヴ・フォー・ファイティングで知られるジョン・オンドラジックのペンになるナンバー。彼らしい社会性のあるメッセージ・ソングで、世界中の誰もが心に刻み込むべき想いについて熱く歌い上げている。
05I STILL...
「バックストリート・ボーイズの新しい方向性を示したナンバー」とメンバー自身が語るこの曲は、シングル・カットもされた。キャッチーなメロディを持った作品で、ヒット・ポテンシャルの高いナンバーといえるだろう。
06POSTER GIRL
ちょっぴりセレブな女の子の歌。共作者のひとり、ビリーマンは、セリーヌ・ディオンやリッキー・マーティン、スティング、ジェシカ・シンプソンなどに曲を提供している売れっ子ソングライターで、ここでも曲作りの上手さが光っている。
07LOSE IT ALL
バックストリート・ボーイズのアルバムには必要不可欠な、感動的なバラードがこの曲だ。サビで一気に盛り上がるドラマティックな曲調は、まさにBSBの真骨頂といった感じで、ファンには堪らない瞬間だろう。
08CLIMBING THE WALLS
2004年の来日公演では、アルバムに先がけ披露されていたので、親しみのあるファンも多かったはず。メンバーによると、この曲の完成がアルバム『ネヴァー・ゴーン』の方向性を決定付けたという。アルバムを象徴する1曲だ。
09MY BEAUTIFUL WOMAN
ブリトニー・スピアーズほかのヒット・メイカーとしてもおなじみのポール・ウィルトシャーが手がけたナンバー。ギターのワイルドなリフが先導する、ロック色の濃い仕上がりで、情熱的な恋心を表現している。
10SAFEST PLACE TO HIDE
アルバム『ネヴァー・ゴーン』は今まで以上にグループの特徴を活かした作品に仕上がっている、とメンバーは語っているが、この曲はそんな特徴を実感させるナンバーだ。ソロ・パートの取り方に、新たな試みを見出すことができる。
11SIBERIA
愛する女性との突然の別れによって傷ついた男性の心情を「僕の心はシベリアで刑期を務めているようだ」と表現した、深い悲しみに包まれたナンバー。絶望の淵で何も出来ずにたたずむ男の姿が浮かんでくるようだ。
12NEVER GONE
アルバムのタイトル・ソングでもあるこの曲は、ケヴィンが友人であるゲイリー・ベイカーと共作したもの。ケヴィンが亡き父親に捧げた感動的なナンバーで、今でも自分の心の中にいる、という父への想いを噛みしめるように歌っている。
13SONG FOR THE UNLOVED
「ポスター・ガール」同様、売れっ子ソングライター、ビリーマンのペンになるナンバー。「愛されていない人たちのための歌」というタイトルそのままに、愛から見放された人たちのことが歌われているが、決して希望だけは失われていない。
14RUSH OVER ME
メンバー5人の共作によるナンバーで、プロデュースをアンダードッグスが担当。これ以前の自作曲と比べても、彼らのソングライティングの才能が確実に進化していることが分かる。素晴らしいコーラス・ワークが堪能できるのも魅力だ。
15MOVIN' ON
ハウィー・Dのペンになるこの曲は、人気ジャズ・コーラス・グループのテイク6がプロデュースを手がけた、美しいアカペラ・ソングに仕上がっている。ハーモニーの美しさを存分に味わうことができるのも、BSBならではの魅力だ。