ミニ・レビュー
毎回、自らに挑戦的なことを課し、それを立派にやってのける若林顕。今回はすべて編曲(トランスクリプション)もので固めて、ピアノという楽器の可能性について探るという趣向。ピアノには難しい、メロディという横の線を重層的に組み立てることに成功。見事。★
ガイドコメント
30代後半を迎え、表現に熟成を加えている若林顕のトランスクリプション集。以外な選曲だが、彼らしい確かな構成感と優れたテクニックで、ピアノの魅力を存分に楽しませてくれるアルバムとなった。
収録曲
01「ペトルーシュカ」〜第三章 (ストラヴィンスキー)
02チェンバロ協奏曲へ長調BWV1058〜アリオーソ (バッハ/コルトー編)
03楽興の時op.94-3 (シューベルト/ゴトフスキー編)
04ピアノのための10の小品〜ロメオとジュリエット (プロコフィエフ)
05くま蜂の飛行 (リムスキー=コルサコフ/ラフマニノフ編)
06子守歌 (チャイコフスキー/ラフマニノフ編)
07スーパー・カルメン (カルメン幻想曲) (ブゾーニ)
08夢のあとに (フォーレ/Earl Wild編)
09ラコッツィ行進曲 (ベルリオーズ/リスト〜ホロヴィッツ編)