ミニ・レビュー
トリオ編成のロック・バンドのセカンド・ミニ・アルバム。ギター主体のサウンドの上に叙情的なメロディと歌詞が乗る最近多いタイプの音。眼鏡かけてそうな感じというか……。細かいキメをビシビシキメてくれるあたり、演奏力の高さがうかがえる。おまけもイイぞ。
ガイドコメント
元スーパーリラックスのメンバーが中心となった3人組、音速ラインの2ndミニ・アルバム。インストを含む全曲がヴォーカル&ギター藤井敬之の作で、その言葉とメロディは和みの極致と言える。
収録曲
01夕凪の橋
夕凪が吹く橋の上で感じるセンチメンタルな感情を振り切るかのように疾走するギター・ロック。目立たないながらもアコースティック・ギターを重ねてしっかりとしたコード感を作り出し、メロディ・ラインを際立たせている。
02ここにいる
「忘れないで」と何度も繰り返されるフレーズがキャッチーでクセになるポップ・チューン。各人の個性が発揮された、抑制されながらも切れ味の鋭い演奏だ。はるか昔に別れた恋人を忘れられずに覚える喪失感と未練を綴った歌詞が切ない。
03夏の日
夜更かしをして恋人と二人で夏の思い出を語り明かす……。そんなささやかながらも幸せな光景が描かれたラブ・バラード。金属的な響きを強調したアコースティック・ギターの音色が、夜のひんやりとした空気感を表現しているかのよう。
04青い空
細かくリズムを刻んでいく手数の多いドラミングと表情豊かなベース・ラインでタイトなリズムを構築した、グルーヴィかつスピーディなロックンロール。ヌケの良いコーラス・ワークは晴れわたった空のように開放的。
05high&low365
音楽を聴いている時の胸の高まりをそのまままサウンドに仕立て上げたかのような、アップ・テンポな80年代風ダンス・ポップ・ナンバー。軽やかなエレクトリック・ギターの音色が楽曲の持つ透明感を際立たせている。
06未来サントラ
くじけそうになりながらも「この先の未来へ行こう」と自分を奮い立たせるポジティヴな意志に貫かれた、メロディアスなポップ・ソング。なめらかな音色のシンセサイザーで奏でられるシークエンスがキャッチーだ。