ガイドコメント
ブラー初のベスト・アルバム。6枚のアルバムを網羅した、最強のヒット・コレクション。ニューウェイヴ・ダンス・ポップで踊りたい人に。10年にわたる活動の輝かしい軌跡をたどっている。
収録曲
01ビートルバム
楽器の音色から、メロディから、センスよく消化されたビートルズのエッセンスが匂い立つ好曲。かつてはジュリアン・コープ似とされたデーモンの歌唱も、ここではジョン・レノン似へと変身。辛辣な歌詞は誰を歌う?
02ソング2
猫も杓子もニルヴァーナと騒ぎ立てる以前の初期ニルヴァーナを思わせるロック・ナンバー。ハードなサウンドと自己を見つめるクールな歌詞とを対比させた構成が秀逸なこの曲は、『ブラー』の2曲目との理由からこの題に。
03ゼアズ・ノー・アザー・ウェイ (Single Version)
04ザ・ユニヴァーサル
05コーヒー&TV (Single Version)
06パークライフ
07エンド・オブ・ア・センチュリー
08ノー・ディスタンス・レフト・トゥ・ラン
恋人ジャスティンとの別離がこの曲にも影を落としているのか、デーモンの歌声がどうにも切なく痛々しい。そんな彼の心中が綴られた私小説的な歌詞と歌唱を、穏やかなギターの音色がいたわるようにそっと鳴り続ける名曲。
09テンダー
恋人ジャスティーンとの別離を乗り越えるんだと、デーモンが女性聖歌隊とともに自らへと歌いかける荘厳なゴスペル・ポップ。彼らがこれほど明確に黒人音楽へのアプローチを披露したのも異例なら、神頼みする歌詞も異例。
10ガールズ&ボーイズ
ダンサブルでメロディアスな楽曲に、クールでシニカルな立ち位置から放たれた歌詞。彼らの英国バンドらしさが詰め込まれたこの代表曲には、ペット・ショップ・ボーイズによる強烈なカヴァー/リミックスも存在。
11チャームレス・マン
誰からも嫌われている場の空気が読めない男を、直球ギター・ロック・スタイルで揶揄した曲。タイトルがザ・スミスの「チャーミング・マン」に似ているためか、この曲で歌われるのはモリッシーだとする説も根強い。
12シーズ・ソー・ハイ (Single Version)
13カントリー・ハウス
14トゥー・ジ・エンド
デーモンがステレオラブのレティシア・サディエール嬢とデュエットする、英国風味のフレンチ・ポップス。男なら誰もが憧れる伊達男、セルジュ・ゲンスブールになりきるべく、エレガントに熱唱するデーモンに微苦笑。
15オン・ユア・オウン
典型的イギリス人バンドの彼らが、ヒップホップのエッセンスを意欲的に取り込んでみせたナンバー。ドラム・マシンを駆使したバック・トラックに乗せ、サビでは初々しいラップまで披露。こんなブラー、誰に想像できた?
16ディス・イズ・ア・ロウ
17フォー・トゥモロウ (Visit To Primrose Hill Extended)
18ミュージック・イズ・マイ・レーダー
かつてのメロディ重視ぶりが嘘に思えるミニマルなポスト・ロック・ナンバーで、アブストラクト・ヒップホップからの影響も濃厚。アフリカ音楽の要素を取り込んだスタイルは、のちの『シンク・タンク』へと繋がる。