ガイドコメント
TVK人気番組『sakusaku』のパーソナリティーとして、「セブンティーン」の専属モデルとして活躍する彼女。先行発売されている2枚のシングル曲も収められた1stアルバム。
収録曲
01untie (album take)
シングル「happiness!!!」収録曲のアルバム・ヴァージョン。カエラのみずみずしいマニフェストが感じられる軽快なロックンロール。ポップで明快なメロディ、英語と日本語を巧みに織り交ぜるなど曲の良さもさることながら、シングル・ヴァージョンよりもストレートなロック・アレンジにチューン・アップ。
02You know you love me?
キャッチーなメロディにタイトでスピーディなビートが、かつてのBOOWYといった日本のビート・パンク・バンドを思わせるほどに明快なナンバー。全編英語詞で歌われているが、「自分を見失わず、あなたがあなたでいること」が大切という、普遍的かつポジティヴなメッセージが込められている。
03あの頃
ゆったりとしたリズムに、広がりと浮遊感のあるギター・サウンドでおくるナンバー。「ねぇ、あなた……」と語りかけるように始まるソフトなヴォーカルは、「あの頃に戻りたい」が「戻れない」というせつない気持ちを綴っていく。カエラの優しく温かいまなざしによる、センチメンタルな一面が感じられる仕上がり。
04happiness!!!
カエラ流の“幸福とは?”というテーマで歌われるポップ・ナンバー。生活のさまざまな小さなことでも大切にすれば、という前向きな本人の歌詞、ノリのよいリズムと、ハッピーになれそうなグッド・メロディがどこまでも続く。
05INVENTOR
タイトルどおり“発明する人”への気持ちに迫るポップで軽快なナンバー。発明の動機となる「人を喜ばせようとする気持ち」は、たとえば「ママが新しい手料理を作ることと同じだと思う」といい、さらにそんな発明が「独裁者たちの手」にわたるとせつないものになるなど、彼女なりの視点で綴られた歌詞が◎。
06D.T.S.
アコースティック・ギターと歌のみで始まり、三拍子を軸に、広がりのあるギター・サウンドへと変化していくスケールの大きいナンバー。周囲から孤独になっている少女をテーマに、どこか内省的な歌詞、変則的なキメによるサビなどが印象的。アルバム『KAELA』収録ナンバーのなかでの異色作といえそう。
07Level 42 (album take)
デビュー・シングル曲のアルバム・ヴァージョン。“Level 42”とは、彼女が関わった『saku saku』の放送局、テレビ神奈川の42チャンネルのこと。ギター、ピアノを中心に、タイトなビートでおくるロックンロールで、日本語と英語が曲のなかで自然に交差するカエラのヴォーカルが新鮮だ。
08誰
トリッキーなフレージングによるギター・リフを中心に展開していく、タイトでアップ・テンポなロック・ナンバー。サウンドのみならず、「人の心、闇にうもれ」「私、光、放て」といったような象徴的な歌詞など、どこか神秘的な雰囲気で圧倒され、不思議な感触を残す。
09Because
厚く広がりのあるギター・サウンドにのせつつ、メロディアスなヴォーカルが展開していくナンバーで、全編英語で歌われている。どこにでもいる自分勝手な女の子の話をしていながらも彼女を見捨てることはできない、“なぜなら”彼女は私自身のことかもしれないから……という歌詞で、どこか内省的な雰囲気。
10weak
雨を情景描写に使いつつ、「自分の弱さを隠し、強がっているの」と相手に対して切実に訴えるナンバー。ヘヴィで力強いバンド・サウンドに、間奏部で奏でられるセンチメンタルなストリングスが加わるなど、力強くも繊細な表現を含んだ力作。エンディングのピアノだけをバックにしたカエラのピュアな歌にグッとくる。
11Whatever are you looking for? (album take)
「想い 想われて……」というフレーズを軸に、さまざまな出会いや出来事を経て生きていくなかで、キミは何を探しているの……? と歌う好ナンバー。シングル「Level 42」のカップリング曲として披露されており、同じアレンジによるアルバム・テイク版では、くっきりとしたサウンドに仕上がっている。
12sola
「空」に対し、友達のように親しみをもった想いを描くナンバー。エレピ、ハーモニカといった楽器を用いたハートウォーミングなアレンジとともに、のびやかで愛らしいヴォーカルを展開しており、アルバムのラストを締めくくるにふさわしい小品。エンディングの彼女がハミングだけでフェイド・アウトするところも聴き逃せない。