ミニ・レビュー
映画音楽のような壮大さを感じさせる(1)に始まり、今なお青春の疾走感をたたえた(2)(5)(7)(11)、ポップな(3)(4)、内省に触れる(6)(8)(9)(10)と、一段と音楽的触れ幅の広さをうかがわせる力作。熱さとせつなさ、双方を内包するヴォーカルに、また心を揺さぶられる!
ガイドコメント
「サンキュー」「同じ月を見てた」の2枚のシングルを含む、GOING UNDER GROUNDの5thアルバム。彼らの最大の持ち味である、胸にキュンとくるセンチメンタリズムあふれる音楽性が見事に発揮されている。
収録曲
01fire grow
ストリングスやピアノの美しい響きが、幻想的な世界を描き出しているインスト・ナンバー。作曲・演奏はドラムス河野丈洋の手によるもの。別世界への導入剤ともいえるこの曲は、ライヴのSEとしても使用されている。
02ロール アンド ロール
明るく爽やかなメロディとアレンジが気持ちよい、ゴーイング的青春ソング。聴いていて走り出したくなるようなサビの疾走感も最高。「不安な気持ちを抱えながらも、先に進むために旅立つ」という内容の歌詞にも注目。
03アゲハ
イントロのアコギからして気持ちいい、爽やかなポップ・ナンバー。タンバリンの音が弾むサビを聴いたら、きっと飛び跳ねたくなるはず。アルバムとは別のヴァージョンが収録されているシングルもぜひチェックを。
04サイドカー
軽快なギター・カッティングに耳を奪われるポップ・チューン。3人がヴォーカルを回し、友達同士の他愛ない会話を描いた歌詞をリズミカルに歌う。言いたいことを言い合っている、開けた雰囲気を持った一曲。
05恋のナビゲーション
意外にも“作曲=GOING UNDER GROUND”名義の曲は、これが初めて! 昭和のアイドル的な懐かしい空気が漂うこの曲は、ギター中澤寛規がヴォーカルと作詞に挑戦。彼らの別の一面が楽しめる一曲。
06あすなろ
穏やかでありながら、どこか切ないメロディが心を締め付けるミディアム・ナンバー。自分の心の内面と向き合うシリアスな内容の歌詞だが、全体的に重くなりすぎないさじ加減は、さすがゴーイングだ。
07同じ月を見てた
シリアスで、ビートやギターにも緊迫感があるが、内容はれっきとしたラブ・ソング。「互いの存在から生まれる勇気」をゴーイング流に表現している。徐々にかつ丁寧に5人の音が重なり合っていくアレンジは鳥肌モノ。
08TENDER
キーボードの美しいイントロで心を掴まれる、恋人同士のさよならソング。各パートが鳴らす音は極めてシンプルだが、互いのバランスは絶妙。バンド・アンサンブルとしてのレベルの高さがうかがえる一曲。
09サンキュー
ゴーイング独特の切ないメロディ・ラインが光る8thシングル。かっこ悪い感情すら素直に吐き出した歌詞が、普段忘れている大事なモノを呼び起こしてくれる。このバンドの優しさが感じられる名曲。
10東京
優しくゆったりとしたメロディとアコギの音が、耳に心地良い一曲。後半の女性ヴォーカルをフィーチャーしたコーラスも秀逸。東京での繰り返しばかりの日常から抜け出して、気が向くままの旅をしたくなる歌詞だ。
11サムネイル
爽やかでポップなメロディにギター・サウンドが乗ったこの曲は、ドラムス河野丈洋がソングライティングを担当している。人間の持つ弱さや落ち込んでいる感情をそっと包んでくれる、優しく温かい一曲。
仕様
CDエクストラ内容:「サンキュー」「同じ月を見てた」ビデオクリップ