ミニ・レビュー
10周年記念企画の一環で発表された3枚組シングル・ベスト。デビュー曲から今へと繋がっていくなかで多様な音楽を取り込みながら、J-POPの定義を拡大し続けてきたユニットの存在は、こうしてシンプルに振り返ると、とても意味深く思えてならない。
ガイドコメント
2004年11月の全国ツアーで本格的に活動を再開した彼らの結成10年を記念するベスト盤。一世を風靡した彼らの勢いとパワーが凝縮されていて、当時の“小室ブーム”を追体験できる。全シングル31曲を網羅した完全盤。
収録曲
[Disc 1]
01Feel Like dance
95年8月、J-POPシーンに彗星のごとく現れたglobeの記念すべき1stシングル。ヴォーカル、プロデューサー、ラッパーという変則ユニットが送り出したポップでキャッチーなサウンドは衝撃的だった。初期globeを代表する名曲。
02Joy to the love (globe)
衝撃的なデビューの1ヵ月後にリリースされた2ndシングル。ジャングルチックなオケにKEIKOのヴォーカルが乗り、軽快なMARKのラップが絶妙に絡みつく。TOYOTAのCMソングに起用され大ヒットを記録した。
03SWEET PAIN
誰でも親しめるわかりやすいメロディを、シンセサイザーを駆使した近未来的なサウンドでおくるTKの手腕はここでも健在。KEIKOが失恋した女心を優しく歌い、MARKがラップをビシッと決める。初期globeの典型的な一曲。
04DEPARTURES
「どこまでも〜」のサビで96年のスキー・シーズンを席巻した初期globe最大のヒット曲。どこか懐かしいメロディをKEIKOがしっとりと歌い上げる名バラード。JR東日本「SKI SKI」のCMソングとして使用された。
05FREEDOM
前作「DEPARTURES」の大ヒットを受け、96年3月にリリースされた5thシングル。不条理かつ不愉快な世界に生きている主人公の心境を、強くたくましくKEIKOが歌う。ファンの間で歌詞に対する人気の高いポップ・ソング。
06Is this love
それまでの超ポップ路線、激トランス路線から一転して突如発表された和み系癒しナンバー。冒頭で聴かれるKEIKOのハミング、MARKの語りかけるようなラップ……ちょっと風変わりなglobeがここに。
07Can't Stop Fallin'in Love
前年の「DEPARTURES」に引き続いてJR東日本「SKI SKI」のキャンペーン・ソングに起用された。トリップしそうなトランス・サウンドに乗ったKEIKOの歌声がなんとも伸びやかな大ヒット曲。
08FACE
97年にリリースされた8thシングルは、フジテレビ系ドラマ『彼女たちの結婚』の主題歌。分かりやすく聴きやすい、カラオケにもピッタリなキャッチーなサビはTKならでは。KEIKOが歌う切り裂くような高音が気持ち良い一曲。
09FACES PLACES
97年3月にリリースされた9thシングル。ポップでキャッチーなメロディを斬新なシンセ・サウンドで包み込み、KEIKOが切り裂くような高音で叫ぶように歌い上げる、初期globeの特徴をすべて併せ持ったヒット曲。
10Anytime smokin'cigarette
97年4月にリリースされた記念すべき10枚目のシングル。キャッチーな路線を外れ、コアなトランス・ファンに向けて作られたかのような激しいナンバー。曲の後半、KEIKOとMARKの力のみなぎった掛け合いにゾクゾクさせられる。
[Disc 2]
01Wanderin'Destiny
97年10月リリースの11thシングルは、TBS系列のドラマ『青い鳥』の主題歌。奇をてらわないTKならではのキャッチーなメロディに、KEIKOのヒステリックなハイ・トーン・ヴォーカルが映える大ヒット曲。
02Love again
98年3月にリリースされた同名の3rdアルバムからカットされた12thシングル。一度聴いたら忘れない、耳に残るキャッチーなサビが印象的だ。失恋した女性の悲しい心情をKEIKOが切々と歌い上げる。
03wanna Be A Dreammaker
98年9月にglobeが行なった怒涛の4連続シングル・リリースの第1弾を飾った通算13枚目。この頃を境に、デビュー当時のキャッチーでポップな曲想が一転、本格的かつハードなサウンドに転換し始めた記念碑的な一曲。
04Sa yo Na Ra
98年9月にglobeが行なった怒涛の4連続シングル・リリースの第2弾は通算14枚目。ネスレ日本のCMソングとして起用されたこの曲は、明るい曲想で哀しい青春のひとコマを歌う。KEIKOの優しげなヴォーカルに癒される一曲。
05sweet heart
98年9月にglobeが行なった怒涛の4連続シングル・リリースの第3弾は通算15枚目。「FORD COUNTDOWN FESTIVAL」の第1弾キャンペーン・ソングとなった本作の主役はなんと言ってもMARK。彼の激しいラップが最大の聴きどころ。
06Perfume of love
98年、globe怒涛の4連続シングル・リリースのトリを飾ったこの曲は、日本テレビ系ドラマ『プライベートアクトレス』の主題歌。都会の生活に疲れきった女性の不安げな心を、KEIKOが直情的に歌い上げる。
07MISS YOUR BODY
08still growin'up
09biting her nails
10とにかく無性に…
[Disc 3]
01DON'T LOOK BACK
2000年にリリースされた22thシングル。初期のポップでキャッチーなサウンドを離れ、ノイジーかつシステマティックなプログレッシヴ・サウンドに移行。8分を越える壮大な音世界はフリーキーでサイケデリック。
02like a prayer
03garden
通算25枚目のリリースとなった壮大なナンバー。軽快なテクノ風の縦ノリ・ビートに乗せ、単語をちりばめた象徴的な歌詞をKEIKOが歌い、MARKはフランス語のポエトリー・リーディングを披露する。新たな一面を垣間見せた一曲。
04try this shoot
前作「garden」のプログレッシヴ指向を引き継いだ壮大で実験的なナンバー。緊迫感あふれるメロディに切ない恋愛を歌った歌詞が光る。サビになって現れる美しくキャッチーなメロディが何とも印象的な一曲だ。
05Stop!In the Name of Love
誰もが一度は耳にしたことがあるだろう海外の大ヒット曲をTKが大胆にカヴァー。TKお得意のユーロビート風アレンジをKEIKOが高音も高らかに歌い上げるだけで、一気にglobe一色の世界になるこの不思議。TK恐るべし。
06genesis of next
テレビ東京系アニメ『サイボーグ009』のエンディング・テーマとなった通算25枚目のシングル。トランス・サウンドを軸に、TKならではのポップな世界観で聴くものを圧倒する。象徴的でありながら希望にあふれた歌詞もグッド。
07Many Classic Moments
通算26枚目となるシングルは恋する女性の強烈なメッセージを歌詞に込めたラヴ・ソング。刹那的なメッセージを無機質でハードなトランス・サウンドに乗せて歌う。実生活でもTKをモノにしたKEIKOの歌う一途な女心は何ともパワフル。
08OVER THE RAINBOW
言わずもがなとは思うが、あの「虹の彼方に」とは同名異曲。TKの作詞作曲、正真正銘globeの楽曲ですので念のため。TKが推進する浮遊感たっぷりのトランス・サウンドは本作でも全開。KEIKOのハイ・トーン・ヴォイスが気持ちよい一曲。
09INSPIRED FROM RED&BLUE
2002年リリースのシングル「OVER THE RAINBOW」のカップリング・ナンバー。KEIKOの高音から繰り出される柔らかで伸びのあるヴォーカルと、MARCの静かで繊細なラップが絶妙に絡むミディアム・テンポのナンバー。
10seize the light
テレビ朝日系ドラマ『ダーク・エンジェル』のテーマ・ソングとして起用されたこの曲は、globeに電撃加入したYOSHIKIの作曲。壮大でスペイシーなトランス・サウンドに響くピアノの音色が印象的なドラマティックな一曲。
11get it on now (feat.KEIKO)
元X-JAPANのYOSHIKIが加入し4人となったglobeが、初めてリリースしたオリジナル・アルバムからのシングル・カット。MARCのムーディなフランス語によるラップ、KEIKOの歌声が何とも印象的な後期globeの代表曲。