ミニ・レビュー
(2)(4)(8)といったヒット曲を含む4枚目のアルバム。今やセクシー姐さんの代名詞的存在となった彼女だが、それも群を抜いた実力があってのもの。歌唱力を含めた表現力の豊かさと強い存在感は、凡百の女性アーティストとは一線を画している。
ガイドコメント
“セクシー&キュート”路線を行く彼女の4枚目となるアルバム。映画の主題歌となったヒット曲「キューティーハニー」からはDVDシングルとしてリリースされた楽曲も収録。これまで以上に音楽性の広がった彼女の魅力が満載。
収録曲
01Intro〜Get down〜
平成の歌姫、倖田來未の名前を世間に広く知らしめるきっかけとなったヒット曲「キューティーハニー」へと導く、4thアルバム『secret』のイントロ的オープニング・トラック。R&B風のリズミックなインスト・ナンバーだ。
02キューティーハニー
「リボンの騎士」や「魔女っ子メグちゃん」などで知られる前川陽子のカヴァーで、2004年5月にリリースした11枚目のシングル。前川版はファンキーな歌いっぷりだったが、倖田版はセクシーでパワフルな雰囲気になっている。
03Hot Stuff (feat.KM-MARKIT)
2005年4月にリリースされた15枚目のシングルは、アルバム『secret』から、FUTURE SHOCK所属のKM-MARKITをフィーチャーしたナンバーをシングル・カット。シリアス・サイドの彼女を堪能できる。
04Selfish
2004年11月にリリースされたDVDシングルで、コンセプトは「男女の出会い〜別れ」。オリジナル・アルバムでは『secret』に収録されている。攻撃的なサウンドで、いつになくパワフルな彼女のヴォーカルを聴くことができる。
05hands
2005年1月にリリースされた14枚目のシングル。冬にぴったりのアコースティックなバラードで、過ぎ去った恋を思い起こす歌詞と相まって、切なさたっぷりの楽曲に仕上がっている。
06Hearty…
セクシーだけじゃなくかわいらしい女の子の感情も表現できることを見事に実証してみせた、キュートなポップなナンバー。大好きな彼氏に向けた女の子らしい歌詞が何ともチャーミングな1曲。
07SHAKE IT
めまいがしそうなほど濃厚に忍び寄る、大人の色気R&B。手の上で弄ばれているようなような感覚へと誘う、ねっとりと絡みつく甘美なムード。これをこらえることなど到底ムリ。そんな体の芯まで聴き惚れる陶酔の一曲。
08奇跡
セクシーな表情と衣装のジャケットが印象的な、2004年9月リリースの13枚目のシングル。彼女にしてはストレートなバラードで、R&Bのフォーマットを使用していながらシンプルなメロディを歌いこなす様が、ヴォーカリストとしての実力を示した作品。
09Trust you
R&Bマナーにしっかりとのっとった、4thアルバム『secret』収録のオトナのリズミックなラブ・ソング。女の子から脱皮したセクシーな女性が、愛する男性へと向けた熱い思いを力強いヴォーカルで聴かせる。
10Chase
2ヵ月と短いインターバルでリリースされた2004年7月発売の12枚目のシングル。ファンキーな8ビートのナンバーで、ホーンとワウを使用したギターが70年代のブラック・ミュージックっぽい。勢いのある歌いっぷりがヴォーカリストとしての充実を感じさせる。
11LOVE HOLIC
彼女の“素”の表情が一気にあふれ出た、コケティッシュな魅力全開のラヴ・ポップ。関西弁も織り交ぜつつ、ひたすら恋のABCを連呼していく勢いの良さ。照れを感じる暇も与えてくれません。
1224
リラックスした和みの音色、ルーム・ミュージックのようにそっと寄り添う暖かさが嬉しい。激しくも、湿っぽくもない、ぼんやりと休日を迎えるような穏やかな波へ、体を自然と預けてしまいそうなナンバー。
13Let's Party
機械的に刻まれる淡々としたリズム・パターンに乗せて、都会のオトナの夜を歌ったR&Bナンバー。正確なコーラスと力強い彼女のヴォーカルが、ブラックな雰囲気を巧みに表現している。美しいメロディもまた魅力。
14Believe
男性から別れた女性へと向けた視線で歌われる、悲しい失恋バラード。美しいアコースティック・ギターのアルペジオに乗せて、押し殺そうとしながらもあふれ出てしまう感情を、悲しみ漂うヴォーカルで歌いあげている。
15Through the sky
遠い場所へと去ってしまった最愛の人に向けて歌われる、美しくも切ないバラード・ナンバー。悲しみを押し殺して歌い上げる強い切なさを感じる彼女のヴォーカルから、表現力豊かなヴォーカリストとしての才能を感じる1曲だ。