ガイドコメント
GONTITIの2002年作品。『ウクレレ+ゴンチチ=地球一快適な楽園!』と題した、夏に聴きたいゴンチチ・ワールドが満載。CGアニメ『ぼのぼの・クモモの木のこと』のサントラも収録。
収録曲
01June&August
CGアニメ映画『ぼのぼの クモモの木のこと』(2002年)のサウンドトラック。ウクレレ2本が織り成す、なんとも繊細でやわらかいワルツ。それは日当りの良い部屋で、オルゴールを聴くような心地よさ。ちなみに、June&Augustとは、彼らの演奏スタイルである6弦ウクレレと8弦ウクレレの組み合わせが由来。
02Turban shell polka
CGアニメ映画『ぼのぼの クモモの木のこと』(2002年)のサウンドトラック、「サザエのポルカ」。ポルカといえば、あの超高速2拍子の忙しいチェコ民謡を想像するが、ウクレレが煌く心地よいテンポに加え、和のテイストあふれるストリングスがたゆたう……国籍・ジャンルを軽く超越する、これぞゴンチチなのだ。
03rattler song
ファンキー・ビートとスクラッチ音を従えて、ウクレレのメロディが高音弦であどけなく踊る。極太なアレンジとゴンチチのほのぼのサウンドのコントラストがいい味を出している、愉しいジャズ・セッション。アレンジャーは、プレイステーション『パラッパラッパー』の作者として知られるゲーム界のトップ・ランナー、松浦雅也。
04White ginger
ホワイト・ジンジャーとは、レイ(お祝いごとなどに使われる首飾り)の材料として、ハワイの人たちにはおなじみの花。ジャズ・ヴォーカル風のメロディ・ラインをなぞったようなオシャレなウクレレと、ドリーミーなヴィブラフォンが織り成す、小波のごとくの心地よいサウンド。あの可憐な佇まいと、うっとりする香りが蘇ります。
05Oh、Tasman!
ウクレレのかわいい音色と、うねるベース・ラインの融合から生まれた、ほのぼのフュージョン(?)。ところでタスマンとは、動物園でみかけたウォンバットの名前だという。かつて『珍獣図録』なるコラムを連載していた、ゴンザレスらしいタイトルだ。ちなみに、アレンジャーはゲーム界のヒットメイカー、松浦雅也。
06Mimosa
CGアニメ映画『ぼのぼの クモモの木のこと』(2002年)挿入曲。2本のウクレレの旋律が溶け合う繊細なサウンドは、まるでオルゴールの小箱から流れ出るかのごとく。タイトルの「ミモザ」は南十字座のこと。他にも「オジギソウ(別名・眠り草)」の意がポピュラー。夜空に星が瞬く、安らぎの時間にぴったりだ。
07rain's rock
CGアニメ映画『ぼのぼの クモモの木のこと』(2002年)の挿入曲。月夜の静寂さを思わせるストリングスに、透明感あふれるウクレレが溶け込み、なんとも上品に盛り上がっていく、3部構成の作品。格調高いアレンジは、映画『誰も知らない』のサウンドトラックでもゴンチチのよきパートナーとなった、菅谷昌弘。
08Melissa
CGアニメ映画『ぼのぼの クモモの木のこと』(2002年)挿入曲。ウクレレの軽やかなつま弾きに合わせて、パーカッションがノリノリ、さらにアコースティック・ギターが躍り出る、なんともにぎやかで楽しいサルサに仕上がった。ちなみに「メリッサ」とは、ゴンチチがオーストラリアで出会ったツアー・コンダクターのお名前。
09sea otter goes to mountain
CGアニメ映画『ぼのぼの クモモの木のこと』(2002年)挿入曲。あの短い足でテクテクお山を目指す、そんな光景を描いたと思しき、タイトル訳はズバリ「らっこくん、お山へゆく」。往年のアメリカン・ポップスを思わせる、キャッチーなメロディと、純粋無垢なウクレレの音色がホントにぼのぼの、もとい、ほのぼの。
10Pedal-tone hill
CGアニメ映画『ぼのぼの クモモの木のこと』(2002年)挿入曲。ドラマティックなメロディ・ラインと、ひたすらコードをかき鳴らす、華麗なるウクレレのデュオ。ちなみに「ペダル・トーン」は、同じ音をキープするオルガン奏法のこと。G音一筋でウクレレを盛り上げた、健気なハモンド・オルガンに由来したと思しい。
11Sleepy racoon
CGアニメ映画『ぼのぼの クモモの木のこと』挿入曲。常日頃、ぼのぼの君に絶妙のツッコミを入れるアライグマ君。ユーモラスなメロディは、彼のキャラクターそのもの。タイトル訳もずばり「おねむのアライグマ君」。柔らかい音色と跳ねるスタッカートの融合を見事に実現した、シンプルながらも秀逸のウクレレ・デュオだ。
12Danny Boy
CGアニメ映画『ぼのぼの クモモの木のこと』の名場面を飾った、世界が愛するアイルランド民謡。小川のごとく流れるウクレレ・デュオは、いつしか雄大なオーケストレーションへ。そのストリングス・アレンジは、さながらハリウッド音楽の巨匠のごとく。「思い出はいつも美しい」というまさに映画の主題そのものの感動作。
13cafe flower- CAFノ FLOWER -
朝のバラエティ番組『はなまるマーケット』(TBS)の、かつてのウェザー・リポート・テーマ曲。アコースティック・ギター2本によるシンプルでオシャレなボサ・ノヴァ・ナンバーは、お天気が気になる“はなまる”な主婦の邪魔をせず、それでいて爽やかな朝をしっかり演出。どんな場所にも溶け込む“地球一番快適音楽”だ。
14Erica
アリさんマークの引越し社の2002年版CMのイメージ曲。歌をつけて口ずさみたくなるような、情緒豊かなメロディ・ライン。後ろを緩やかに流れるアルペジオ。ゴンチチといえば、このギター・デュオ・スタイルが真骨頂。飯島直子が、風情ある街中を行く……そんなワン・シーンにぴったりの、心に染み透る作品です。