ミニ・レビュー
活動を凝縮したシングル・ベスト。少女から大人へ、アイドルからアーティストへ……のプロセスが切り取られた作品は、想い出を振り返るだけではない、メンバー個々の未来も見せているかのよう。またビター・スウィートなメロディはあらためて心に残ることが分かる。
ガイドコメント
ZONEのベスト・アルバム。『Z』『O』『N』とオリジナル・アルバムを発表してきた集大成が、この『E』。全15枚のシングルに加えて、インディーズ時代の「believe in love」も収録し、ZONEの歴史が凝縮された作品だ。
収録曲
01GOOD DAYS
02大爆発NO.1
2001年リリースの2ndシングル。しっとりしたア・カペラの歌い出しから、威勢のいいスネアのロールとともにロック色を増す。「ぴゅんぴゅんぴゅん」や「ズバババーン」という表現がエネルギーを感じさせる、どこまでも前向きな恋の歌。
03secret base〜君がくれたもの〜
3rdシングルにして彼女たちの名前を世間にしらしめた名曲。「秘密の基地」とか「夏休み」とか「一緒に帰ろう」とか、学生時代の甘酸っぱい単語がたくさんちりばめられた「夏の終わりの転校」がテーマの切ないバラード。
04世界のほんの片隅から
4枚目のシングルとなるこの曲は、大切な人と一緒にいるだけで景色も違って見えてしまう、全身で恋をする乙女心を歌う。いつものバンド・サウンドとは違って、ピアノやシンセサイザーを使ってしっとり仕上げたウインター・ソング。
05夢ノカケラ…
「君がくれたもの」という4人のさわやかなユニゾンが印象的。遅めの8ビートとピアノのサウンドが切なさを生み出すなか、忘れかけていた幼いころの夢をまた見つめ直してみようと歌う、青春ど真ん中チューン。
06一雫
ピアノとストリングスとアコースティック・ギターが繊細な空気を作り出すバラード。やさしさを歯がゆく感じてしまうほど素直になれなかった自分が、「一雫」の涙とともに素直になれたと伸びやかに歌い上げる。
07証
一気にロック色が強くなり、彼女たちの成長ぶりがうかがえる5thシングル。歌詞の内容にも強いメッセージや主張が生まれており、1年前のあどけないZONEとは見違えるよう。
08白い花
囁くようなAメロと、切なく過去を振り返るBメロ、強い決意を歌い上げるサビまでの曲全体のテンションがとても大人びていてドキッとさせられるウインター・ソング。透明感のある歌声が、より切なさと凛とした強さを醸し出す。
09true blue
エレクトリカル・パレードが始まりそうな英詞のイントロで始まるこの曲は、彼女たちの持ち味である元気さに加えて、大切に思う人のために強くなっていく、人としての力強さが感じられる。全員で歌うサビ部分がさわやかで心地いい。
10恋々…
アジアンな雰囲気のメロディとオリエンタルな機械音が耳に残る、ダンス・ミュージック調のラヴ・ソング。中国風の音階で構成されたメロディが、恋愛真っ最中の切ない気持ちをより切なく感じさせる。
11H・A・N・A・B・I〜君がいた夏〜
夏に散ってしまった切ない恋を歌ったラヴ・ソング。イントロのオルゴール音とサビのスピード感が夏の終わりの寂しさを増幅させる。「夜空に咲く 向日葵」「HANABI」「神社の石段」など、夏休みフレーズがたっぷり詰まっていて甘酸っぱい。
12僕の手紙
渡す予定のないラヴレターを歌にした、ピュアなラヴ・ソング。透明感のある大人びた歌声が淡々とラヴレターを歌い上げる。全体的に音数も少ないせいか、頼りなくも強い想いが胸に響く一曲。
13卒業
「卒業」で感じる寂しさと、そこから始まるこれからへの期待をパワフルに元気いっぱいに歌う。途中、学校のチャイム風のリフが織り交ぜられているあたりの、現役の彼女たちだからこそできる妙技に脱帽。
14太陽のKiss
熱い夏の思い出を瑞々しく爽やかに歌うサマー・チューン。涼しげなコーラスと息がピッタリな彼女たちの歌声がスピード感を生み出す、フレッシュで勢いのある、夏にぴったりの元気ソング。
15glory colors〜風のトビラ〜
2004年高校野球中継の統一テーマ・ソングに起用されたナンバー。ドラマティックに展開されるサウンドにあって、ダイナミックに歌い上げるMIYUのヴォーカルが印象的。
16笑顔日和
17believe in love