亀田誠治の作曲・プロデュースによるデビュー・シングルの表題曲。アコースティック・ギターを中心としたオーガニックなバンド・サウンドのなかで、軽やかに舞い上がる彼女の声がとにかく素晴らしい。凛とした強さと柔らかい女性像を同時に感じさせ、誰にもマネできない強い個性が宿ったナンバー。

好きな人に対する純粋な、そして、純粋であるがゆえに葛藤を生み出してしまう感情を、詩的に描き出したミドル・チューン。打ち込みのタイトなビートにのるヴォーカルは、繊細な表現力が求められるリリックにリアルな息吹きを与えている。聴く者を（きわめて自然に）歌の世界にさそい込む、これもまた彼女に与えられた天賦の才だろう。

アコギ、ヴァイオリン、パーカッションというシンプルなアレンジが印象的なフォーキーな雰囲気のナンバー。飾り気のない、でも、深い奥行きを持つ歌からは、彼女のヴォーカリストとしての振幅の大きさが伝わってくる。“好き”というストレートな気持ちが真摯に伝わってくるリリックには、ジャンルや趣味を超えた普遍性が宿っていてステキだ。