ガイドコメント
前作以上にファンキーさを増した1974年作品。タイトル曲や「嵐の女」など好楽曲も多く、パープルとリッチーの新境地を垣間見れるが、リッチーを擁する第3期ディープ・パープルとして最後のアルバムとなった。
収録曲
01嵐の使者
強力なリフを持ったハード・ロック・チューン。ヘヴィでグルーヴィな曲調とエモーショナルなヴォーカルのバランスが絶妙で、スライド・ギターによるアラビックなソロ・パートも、シンプルながら実に印象的だ。
02愛は何よりも強く
第3期ディープ・パープルの音楽性の幅広さを物語る非ハード・ロック・ナンバー。ファンキーなリズムとデヴィッド・カヴァーデイルのディープなヴォイス、そして、ジョン・ロードによるクラヴィネットが特徴的だ。
03聖人
第3期ディープ・パープルにおけるグレン・ヒューズのソウルフルな魅力を詰め込んだ、ムーディなスロー・チューン。リッチー・ブラックモアによるエキゾティックなスライド・ギターもいいアクセントとなっている。
04ホールド・オン
第3期ディープ・パープルの、非ハード・ロック・サイドの魅力が堪能できるファンキーなナンバー。デヴィッド・カヴァーデイルとグレン・ヒューズという2つの異なったヴォーカルの個性のぶつかり合いも素晴らしい。
05嵐の女
第3期ディープ・パープルだからこそ生まれた、ファンキーなハード・ロック・チューンの佳曲。激しいリフを持つわりにノリは軽めだが、熱くエモーショナルなヴォーカル、無造作に弾きまくったかのようなギター・ソロは実にパワフルだ。
06ユー・キャント・ドゥー・イット・ライト
ヘヴィなグルーヴとファンキーなリズムがハードに融合されたナンバー。楽曲の構成そのものはシンプルだが、リフの組み立て方はいかにもディープ・パープルらしい。ジョン・ロードによるシンセサイザー・ソロもフィーチャー。
07ハイ・ボール・シューター
リッチー・ブラックモアによる印象的なギター・フレーズからスタートするファンキーなハード・ロック・ナンバー。デヴィッド・カヴァーデイルとグレン・ヒューズのツイン・ヴォーカルもうまく活かされている。
08ジプシー
デヴィッド・カヴァーデイルとグレン・ヒューズのツイン・ヴォーカルが映える『嵐の使者』収録の隠れた名曲。タイトなリズムの上で幻想的に舞う、リッチー・ブラックモアの抒情味溢れるギター・プレイも絶品だ。
09幸運な兵士
デヴィッド・カヴァーデイルのエモーショナルでディープなヴォーカルが見事に活かされたアコースティカルなバラード。哀愁味溢れる曲想は筆舌に尽くしがたく、エンディング近くでかぶさってくるメロトロンも絶妙だ。