ミニ・レビュー
森山の初のベスト・アルバムは、初回盤のみ新曲を含む8曲入りボーナス・ディスク付き。メイン・ディスクは全13曲だが、独特の重みに圧倒される。彼の唄力は、人間が持つ底知れないパワーをさらけ出しているようだ。言葉選びのセンスにも注目したい。
ガイドコメント
森山直太朗、初のベスト・アルバム。「さくら(独唱)」「愛し君へ」ほかヒット曲、人気曲満載のメイン・ディスクに、弾き語り集をボーナス・ディスクとして加えた豪華2枚組だ。
収録曲
[Disc 1]〈空盤〉
01時の行方〜序・春の空〜 (エディット)
02さくら (独唱)
卒業をテーマにした彼の代表曲。トレード・マークでもあるファルセット・ヴォイスや普遍的な美しさを持った旋律が魅力。オリジナルは2002年発表の6曲入りミニ・アルバム『乾いた唄は魚の餌にちょうどいい』に収録。
03愛し君へ
2004年発表の初フル・アルバム『新たなる香辛料を求めて』に収録されている、ピアノ伴奏のバラード曲。選りすぐった言葉ひとつひとつに魂を込めて綴ったラヴ・ソングで、独特の質感を持つ彼の歌声を堪能できる。
04陽は西から昇る
05太陽 (邂逅編)
06高校3年生 (リミックス)
07今が人生
打ち込みやゴスペル風コーラスなどを取り入れた、彼にしてはポップなサウンドの一曲。ファルセット・ヴォイスの印象が強い彼だが、実は曲調に応じてさまざまな表情を見せる。そんな彼の懐の深さが表われたナンバーだ。
08風唄
アルバム『いくつもの川を越えて生まれた言葉たち』に収録のミディアム・スロー・ナンバー。“かざうた”と読んだり、最小限の音数にとどめてヴォーカルの余韻を生かす手法が、清流のようなくすみない「和」の美を感じさせる。
09声
2004年発表の4thシングルのダブルA面曲。味わい深いアコースティック・ギターの弾き語りを基調としたバラードで、次第にハーモニーの美しいストリングスが入り、彼の個性的なファルセット・ヴォイスが響き渡る。
10星屑のセレナーデ
11レスター
12生きとし生ける物へ
母なる海より誕生したすべての生物へ向けて歌われた、壮大かつ愛にあふれた曲。歌詞には人間の愚かな過ちによって破壊されている地球の環境や生態系を悲痛に綴っている。人間の光と影が見え隠れするこの曲は、ひび割れた大地に降る恵みの雨ともいえるだろう。
13夏の終わり
2003年発表の3rdシングル。沖縄の三線や中国の二胡といった伝統楽器を用いたミディアム・バラードで、夏の終わり特有の切なさを温もりのある声色で歌い上げる。“直太朗節”全開のサビのフレーズが実に印象的。
[Disc 2]〈雲盤〉
01土曜日の嘘
02季節の窓で (雲バージョン)
03青い瞳の恋人さん
04あの街が見える丘で (雲バージョン)
05駅前のぶる〜す
06いつかさらばさ (雲バージョン)
07なんにもないへや
08ハーモニー