ミニ・レビュー
通算10作目となるオリジナル・アルバム。2004年の全国ツアーの手応えがフィードバックされたのか、バンド感とライヴ感が強い作品に仕上がっている。メロウな歌モノからヘヴィネス要素も含んだナンバーまで、曲調の幅広さも特徴。
ガイドコメント
4曲のヒット・シングル「自由への招待」「Killing Me」「New World」「叙情詩」を含む待望のアルバム。前作『SMILE』を経て、よりいっそうバンドとして充実した傑作に仕上がっている。
収録曲
01New World
ドラマーのyukihiro作曲による初めてのシングル。ハードなサウンドの中にもポップで爽快感あるギターが印象的なポップ・チューン。NTV系『THE LIVE 2005』野球中継イメージ・ソング。
02LOST HEAVEN
ファンキーなギターのリフが印象的なナンバー。キーボードが全体的にフィーチャーされているため、鋭さだけではないポップなサウンドに仕上げている。劇場版『鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』エンディング・テーマ。
03叙情詩
彼ららしいメロディアスな16ビートのミディアム・バラード。叙情的であり、壮大な雰囲気を持ち、歌詞の世界観を損なわない出来。日本テレビ系『スーパーテレビ情報最前線』エンディング・テーマ。
04TRUST
80年代UKギター・ロックのようなディレイとコーラスをかけたギターが、音楽へ貪欲な彼らの持ち幅の広さを感じさせてくれる。一転して間奏では、細かいパッセージのハードなソロがフィーチャーされており、メリハリのつけ方が絶妙だ。
05Killing Me
星屑のようにキラキラしたギターの音色が、縦横無尽に駆け巡るアップ・ナンバー。まさにギター・ロック。ひたすら前のめりするような潔いA・Bメロから、スペーシーな雰囲気漂うサビ以降への転調の妙も素晴らしい。
06AS ONE
へヴィ・ロックやオルタネイティヴな雰囲気を持ったナンバー。ヴァースでのヘヴィな雰囲気から、サビでポップなメロディに進んでいく展開がすばらしい。ただのヘヴィ・ロックで終わらせないところは、彼らのセンスがなせる業。
07My Dear
アルバム『AWAKE』の前曲「AS ONE」がヘヴィな印象なナンバーのため、一段と本曲がやさしく響いてくる。Hydeのメロディ・メイカーとしての才能が如何なく発揮された、ジェントリーなミディアム・バラード。
08EXISTENCE
アルバム『AWAKE』収録の中では比較的シンプルなサウンドのロック・ナンバー。作曲者kenによる、1拍半ごとに別のノートへ移行するギターの印象的なリフが、よりスリリングな雰囲気を醸し出している。
09自由への招待
ヴォーカルの勢いに負けじと併走するコーラス、手数の多いドラムスがドライブ感あふれる演奏を盛り上げる骨太ロック・チューン。冗談ぽく韻を踏んだ歌詞も新たな試みか? 爽やかさの中にも哀愁を残すのもニクイ演出。
10Ophelia
ロックにアコースティック・ギターを使用することはあっても、ガット・ギターを使用することはまれだが、数少ない例がこの曲。ガット・ギターのほかにもフリューゲル・ホルンを使用したアレンジは、本アルバム『AWAKE』中で最もユニーク。
11星空
彼らの真骨頂ともいえる美しいメロディのバラード。一聴シンプルなアレンジに聴こえるが、音色にこだわりが見えるカラフルなギターや、決して目立ちすぎないツボをおさえたキーボードなど、彼らのセンスのよさが伝わってくるサウンドに仕上げている。
12twinkle、twinkle
70年代のアメリカン・ハード・ポップの雰囲気が感じられる、ポップなメロディのクロージング・ナンバー。作曲者のkenによるハイ・ノートを中心としたギター・ソロは至極に美しく印象的だ。