ガイドコメント
ロック、パンク、ヒップホップ、レゲエ……あらゆるスタイルの音楽をミクスチャーする、カリフォルニアはオレンジ・カウンティ出身の5人組ツワモノ集団、シュガー・レイの初のベスト・アルバム。
収録曲
01SHOT OF LAUGHTER
「終わらない夏が欲しい」と歌われる歌詞が象徴するように、夏にぴったりの軽快なサウンドと男性ヴォーカル・グループのような美麗なコーラス・ワークが印象的な、爽やかなナンバー。漂う大人の香りが色っぽい。
02ANSWER THE PHONE
シュガー・レイお得意の直球のパワー・ポップ・ナンバー。図太いギターが生み出す突き抜けるようなサウンドとコーラスの絡み合いが見せる甘いメロディが、胸をキュンキュン刺激しまくってくれる。
03FLY
バンドの知名度を一気にスターダムへと押し上げたヒット・ナンバー。レゲエの要素を前面に押し出した陽気で開放的なサウンドが、赤道直下の太陽のような熱さでハッピー・ヴァイブスを生み出している。
04SOMEDAY
ハワイアンな香りのする爽やかなアルペジオが印象的な甘いラブ・ソング。涼風のようなメロディとマーフィーの物憂げな歌声の絶妙なコラボレーションが、センチメンタルな歌の世界を生み出している。
05UNDER THE SUN
メランコリックなギター・カッティングとヒップホップのビートから、ラウドなギターに乗せて歌われるサビの泣きメロが、胸を熱くする極上のロッカ・バラード。大声でシンガロングしたくなるような名曲だ。
06EVERY MORNING
あらゆる音楽に通じるシュガー・レイが、アコースティック・パフォーマンスにこだわったサマー・ソングの定番。カリフォルニア出身らしく、眩しい陽光が降り注ぐ心地よい西海岸の朝を思わせる絶品のバラードである。
07MEAN MACHINE
ヘヴィなギターが唸るパンキッシュなナンバー。やんちゃなサウンドとがなり立てるヴォーカル、激しいドラミングが否応なしに気持ちを盛り上げる、キッズによるキッズのためのキッズ・ソングだ。
08FALLS APART
ヘヴィなギターとヒップホップのビートが絶妙に融合したロック・バラード。アメリカン・ロックらしいサビの盛り上げは感動的。ところどころに挿し込まれるDJのスクラッチもスパイスとして効果的に曲を盛り上げる。
09TIME AFTER TIME
シンディ・ローパーの名バラードをカヴァー。チープなリズムやキーボードのフレーズなどの80年代らしいテイストは残しつつも、煌めくようなギターのアルペジオやヒップホップ的なビートを導入することで現代的なアレンジへと変貌させている。
10RHYME STEALER
メタルチックな爆音ギターが炸裂するラウド・ナンバー。すべてを押しつぶすかのような重低音にDJスクラッチの柔軟さが加わり、縦と円のグルーヴを行き来することで、カオティックなサウンドを生み出している。
11WHEN IT'S OVER
日本でもシングル・カットされたサマー・ソング。「Every morning」と同路線のフォーク調とでも呼びたいミクスチャー・ロックである。夏の香りが漂ってきそうな雰囲気の中、爽やかなヴォイスが響き渡る。
12RPM
メタル・サウンドを前面に押し出しているが、サビの抜けの良さは西海岸的なカラッとしたもの。そのギャップが曲全体をあまりシリアスなものにせず、悪ガキ・ロックという気楽なレベルで楽しめるものにしている。
13IS SHE REALLY GOING OUT WITH HIM?
アメリカン・ポップスのような直球なメロディで聴かせるバラード・ナンバー。ストリングスを導入した美麗でシンプルなサウンドなど、あまりに毒気のないサウンドには若干もの足りなさも感じるが、だからこそ歌の切なさが真っ直ぐ心に響くのも事実だ。
14PSYCHEDELIC BEE
暴走するギターによるアッパーなサウンドを2分に凝縮した、短距離走のようなロック・チューン。突然失速したかと思いきや、ブレーキ音とともに停止するユニークな演出を見せるなど、遊び心も楽しい。
15CHASIN' YOU AROUND
ゴスペル調のコーラスやストリングスをフィーチャーしたハッピーなパーティ・チューン。突き抜けるように心地良いメロディと空に溶けていきそうな歌声はどこまでも透明。祝福のようなサウンドがもたらす多幸感はシュガー・レイの楽曲の中でも随一の出来。