ガイドコメント
1972年発表の5thアルバム。架空のロック・スターをモチーフにしたコンセプト・アルバムで、本作の成功を機に一躍トップ・アーティストとなった。最高傑作、70年代グラム・ロックの金字塔などといわれる名盤中の名盤。
収録曲
015年間
ピアノによるシンプルなアレンジが秀逸なロック・バラードの名曲。叙景的な歌詞とストレートなメロディ、そしてラストに向けて激しさを増すデヴィッド・ボウイの歌が、哀愁に満ちたストーリーを感じさせる。
02魂の愛
ラテン色のミドル・テンポのパーカッションが印象的なのんびりとした1曲。その中でもサビにのみ入ってくるオーヴァードライヴのギターは、展開にメリハリをつけ、全体を盛り上げる上で重要な役割を果たしている。
03月世界の白昼夢
アンプラグドなギターとハード・ロック的なエレキ・ギターの2本が効果的に使い分けられた1曲。ピアノやストリングスによりヴォルテージが高まった頂点でギター・ソロが入ってくる構成は王道的だが、やはり盛り上がる。
04スターマン
05イット・エイント・イージー
素朴でミニマルなギターのフレーズは、なかなか思い通りに進まない困難な道のりを歌った詞の世界観を表しているようだ。しかし、サビのハードなエレキ・ギターは、その中でも力強く生きていこうとする意志を感じさせる。
06レディ・スターダスト
デヴィッド・ボウイの自伝とも思える苦難に満ちた歌詞を、ほぼピアノとドラムのみのシンプルなアレンジで表現している。ヴォーカルは力強く、歌いようによっては暗鬱なだけのこの曲にポジティヴな力を与えている。
07スター
リズミカルなピアノ・フレーズと女声コーラスがミュージカルのような躍動感のある曲調を作り上げているナンバー。しかし、終盤はスロー・テンポになり、しっとりとしたピアノ・プレイと歌唱に転じ、美しい余韻を残している。
08君の意志のままに
2カウントから8ビートで突っ走る痛快な1曲。男気あふれるロックン・ロールの王道を行きながら、デヴィッド・ボウイの中世的で危うげな色気のあるヴォーカルがこれでもかと炸裂している。
09屈折する星くず
抽象的でファンタジックな歌詞の中に少しずつ人間の悲哀を忍ばせてた、高度な表現をした歌詞が印象的。3ピースで演奏されるストレートなロック・サウンドで、哀愁に満ちた歌詞の世界観を損なうことなく表現している。
10サフラゲット・シティ
11ロックンロールの自殺者