ミニ・レビュー
タイトル曲(1)からして強気の一言。ブロークン・ビーツやバングラ風味も交え、ストリート方面から仕切り直すということか。ブリンブリンなビジュアルとその意気込みとが若干すれ違い気味なのは残念だが、出来は決して悪くない。(12)には隠しトラックが。
ガイドコメント
『STYLE』から約1年半ぶりとなるオリジナル・アルバム。先行シングル4曲をはじめ、ダンス・チューンが満載された濃厚な内容だ。スズキ シボレーのCMでお馴染みのタイトル曲も収録。
収録曲
01Queen of Hip-Pop
ハンド・クラップと浮き上がるようなシンセの相性が抜群に良いバウンシーなR&Bナンバー。重みのあるビートと躍動するソウルフルなヴォーカルが絶妙に絡み合い、静と動をうまく使いこなした、彼女はまさに“Queen of Hip-Pop”だ。
02WANT ME、WANT ME
イントロから弾ける、琴のような“和”の要素を採り入れたループが癖になる、レゲエ風ダンス・チューン。表現力豊かなヴォーカルとともにジワジワと気分を盛り上げるサウンド・プロデュースは、SUGI-Vによるもの。夏の夜に聴くのにはもってこいだ。
03WoWa
行進やハンド・クラップに笛など、生身の人間が出す音をミックスしたアレンジが印象的なダンサブルなミディアムR&Bナンバー。“Wo-Wo-Wa-Wa”というコーラスに絡む、彼女の官能的なヴォーカルが刺激的。プロデュースはNao'ymt。
04I Wanna Show You My Love
浮遊感あるコーラスを切り裂くような、カラダに直接響いてくる感情的なヴォーカルに耳を奪われるUK風R&Bナンバー。歯切れのいいライミングなど“声”の魅力を最大限に引き出したキメ細かいサウンド・メイクは、T-kura/Michicoの“Giant Swing”プロデュース。
05GIRL TALK
オシャレで甘すぎないキュートなトラック・プロジェクトに定評あるT・クラ&ミチコ夫妻提供のポップ・ダンス・チューン。腰元に落とし込むようなアレンジ、細やかな上質感と、ナチュラルさを最大限に活かしている。
06Free
ダークな雰囲気を漂わせるイントロから妖しげなリズムのシンセ・サウンドへの展開が印象的な、クールなミディアムR&Bチューン。自分らしく生きていこうと静かながらも力強く“自由”を求める、彼女の美しさが映えるヴォーカルが魅力。
07My Darling
ズンズンと迫る勢いあるサウンドと彼女のスウィートでスムースなヴォーカルがクールな、ソウルフルなR&Bナンバー。L.L.BROTHERSによる勢いをさらにあおるようなMCが、体全体でサウンドを感じることに拍車をかけてくるようだ。
08Ups&Downs (duet with Nao'ymt)
安らぎに満ちたサウンドがラヴ&ピースな気持ちにさせてくれるミディアムR&Bナンバー。プロデュースを手掛けたNao'ymtをフィーチャーしたコーラスの掛け合いがムーディで、アムロのヴォーカリストとしての魅力が十二分に発揮されている。
09I Love You
リズミカルに跳ねるサウンドがキラキラと弾けるディスコ・ポップ・ナンバー。フランス語、英語、スペイン語、中国語……それぞれの“I LOVE YOU”を盛り込んだコーラスが、彼女のキュートさをより映し出している。C.“Tricky”Stewartプロデュース曲の日本語詞カヴァー。
10ALL FOR YOU
クールなガール・ヒップホップ路線が定着しつつあった彼女が、2004年に放ったバラード。ドラマ主題歌にマッチした琴線に触れる泣きのメロディが、清らかな風のように心をすり抜ける。
11ALARM
2004年第1弾となるシングル曲。サビ・メロともに単調なメロディが続くミディアム・チューンとなっているが、マットでセクシーな歌声と重低音が相まって、鼓動が昂ぶる。“今”をキーワードに着々と闊歩してゆく。アラームが鳴った瞬間からすべては始まる。
12No
バウンシーなサウンドに導かれた妖しさをまとったヴォーカルが体を熱く反応させるほど官能的に響く、刺激的なクラブ・チューン。ハンド・クラップとシンセで“N・A・M・I・E”のコールをあおるブリッジも魅惑的。後半にはスローなR&Bのシークレット・トラックもアリ。