ガイドコメント
2001年発表のメジャー・デビュー・アルバム。プロデュースにジェリー・フィンを迎え、キャッチーなメロディとスピード感あふれるサウンドを聴かせる。メタル好きの趣向がうかがえるお遊び感覚満点のナンバーも収録。
収録曲
01イントロダクション・トゥ・デストラクション
遠くから聴こえる鐘と風の音に導かれて、低く囁かれる声。アメリカの古いホラー・コミックやTV番組を思わせるような、ちょっと不気味だけど怖さよりも滑稽さが感じられる曲、というよりオープニングSEといった感覚のナンバー。
02ナッシング・オン・マイ・バック
キャッチーなメロディで激しい中にも爽やかさすら感じる疾走感いっぱいのナンバー。曲中のところどころで炸裂するドラムが、曲の緩急をつけている所が絶妙。晴れた日のドライブのBGMにピッタリとハマる一曲。
03ネヴァー・ウェイク・アップ
超高速ビートと超早口でまくしたてるスピード感いっぱいのパンク・ナンバー。でもサビはあくまでもポップでメロディアス。0分44秒間でバンドの魅力を凝縮したような、あっという間に聴かせてしまう1曲。
04ファット・リップ
映画『アメリカン・パイ2』で使用された彼らの代表作。ラップと縦ノリのパンク・ロック・サウンドが見事に融合。中盤、突然静かになるパートも含め、曲の展開方法が良く練られている傑作! このバンドの魅力はこの曲抜きには語れない。
05リズムス
他のパンク・バンドに比べ、ドラムがテクニカルな演奏を聴かせる曲が多いSUM41だが、この曲でもその魅力がいかんなく発揮されている。中盤で一度静かになってから再び盛り上がっていく展開も、このバンドの魅力的なところだ。
06モチベーション
小気味良いギター・サウンドとキャッチーなメロディが印象的なこの曲は、アルバム『オール・キラー・ノー・フィラー』からの3枚目のシングル・カット曲。中盤で突然ラジオから流れてくるようなサウンドに変化する瞬間は、ポップなセンスが生かされている。
07イン・トゥー・ディープ
威勢の良い曲の多い彼らの中では、少しだけ落ちついた感じで歌っている曲。がむしゃらもいいが、時には立ち止まって足元をみれば見えてくるものもあるといった歌詞の内容が、心に染み込んでくるようなナンバー。
08サマー
これぞパンク・バンドの王道サウンドといえる曲。キレの良いギターのカッティング音、覚えやすいサビのコーラス。パンク・ロックのオイシイ部分をしっかり押えているのが、凡百のバンドとのセンスの違いを見せつけてくれる。
09ハンドル・ディス
曲のテンポを少し落とし気味して、恋して行くことに疲れ果ててしまった心情を、しっかりと歌い込んでいる青春パンク・ソング。シングル・カットこそされなかったものの、ファンの間で根強い人気を誇る一曲。
10クレイジー・アマンダ・バンクフェイス
グリーン・デイあたりが好きな人には、心のど真ん中に飛び込んで来ること間違いなしのパンク・ソング。イントロからエンディングまで、19歳の正直な気持ちを描いた歌詞に乗せて、一気に駈け抜けて行くこの感覚がたまらない。
11オール・シーズ・ガット
スピード感いっぱいで爽やかに駈け抜けて行く、青春パンク・ソング。途中に出てくるギター・ソロには、パンクやメタルというよりはハード・ロックの影響が少し見えてくる、バンドとしての懐の深さも示しているナンバー。
12ハート・アタック
SUM41にしては静かな始まり方をするこの曲は、毎日同じ事を繰り返すような日常のやるせなさを歌った曲。中盤からシャッフル・リズムでテンポが上がっても、弾け切らずに歌われることで、歌詞の内容に深みを与えている。
13ペイン・フォー・プレジャー
ドスを効かせた歌声といい、メロディ・ラインといい、ヘヴィ・メタル色を全面に出している曲。ドラムがヴォーカルとなるなどパートを入れ替えて、パンク・バンドとして認知されている彼らの違う一面を見せてくれているが、メタルになりきっていない彼ららしいサウンドに仕上がっている。
14メイクス・ノー・ディファレンス
SUM41らしいアップ・テンポなパンク・ソングであり、ファンの間では勿論、このバンドを初めて聴いた人からもウケが良いのがこの曲。映画『クール・ボーダー』の挿入歌に使用された、ボーダーのBGMとして必需品的な1曲。