ミニ・レビュー
4枚のヒット・シングルを含む12曲を収録した、前作から約2年ぶりの5枚目のアルバム。柔らかな質感の歌声でまとめられたポップスはお馴染みの路線。年齢とともに微妙に変化してきた歌詞は聴きどころ。大学生活と並行させてきた音楽の集大成とも捉えられそう。
ガイドコメント
大ヒットを記録したベスト『Wish You The Best』から1年8ヵ月、オリジナルとしては2年ぶりとなる新作アルバム。4枚のヒット・シングルを中心に、ミッド・テンポの美しいバラード・チューンが楽しめる。
収録曲
01Honey、feeling for me
美しいハーモニーではじまるダンサブルなミディアム・チューン。シンプルなサウンド・メイキングが、彼女のヴォーカルの魅力を最大限に引き立てている。迷いの少しもない甘くストレートな歌詞も聴きどころのひとつ。
02P.S♥MY SUNSHINE
70年代風アレンジのストリングスからはじまる21thシングル。スタッカートなギターとビートのきいたドラム、リズミカルなベース・ラインが印象的なナンバーだ。希望に満ちた未来を感じさせる歌詞が前向きな気持ちにさせる。
03You look at me〜one
リスナーとの心の交流を歌ったような歌詞が現実と向き合う勇気を届けてくれるメロディアスなナンバー。イントロのヴォーカル・エフェクトとリズミカルなドラムが全体の印象をモダンな感じに彩っている。
04駆け抜ける稲妻
16ビートのきいたダンサブルなビートをバックにリズミカルに歌い上げるミディアム・チューン。伸びやかに繊細に歌うサビのメロディも聴きどころ。英語詞によるコーラスのハーモニーも耳に心地よい。
05Don't leave me alone
リリカルなアコースティック・ギターのアルペジオからはじまるミディアム・スロー。彼女の作品には珍しいマイナー・コード、そして迷いや弱さを歌った楽曲だが、決して暗い印象になっていないのは、ヴォーカルの力ゆえ。
06Love、needing
打ち込みのイントロとラップからスタートする19thシングル。リズミカルな英語詞が印象的な大サビと、高音域が美しいコーラス・パートという構成から成る、ドラマティックなナンバーだ。
07ダンシング
80年代のマイケル・ジャクソンを彷彿させるような歯切れのいいビートでスタートする20thシングル。リズミカルでキャッチーなサビのメロディが、一度聴いただけで耳に残るポップなナンバーだ。
08Tell me what
人生を進んでいく様を、車のドライヴに例えて歌った前向きなナンバー。“君”といっしょなら、どんなことがあっても走っていけると歌う歌詞がポジティヴなエネルギーを分け与えてくれるようだ。
09LOVE SICK
オクターブ進行のベース・ラインがダンサブルなイメージを形作っているミディアム・ポップ・チューン。携帯メールをテーマに、恋する気持ちをひたむきにストレートに歌った歌詞が印象的なラブ・ソング。
10明日へ架ける橋
NHK総合23時連続ドラマの主題歌にもなっていた18thシングル。ピアノだけをバックに歌うAメロから、徐々に様々な楽器が重なっていくドラマティックなサウンド・メイキングが楽曲のスケールを大きく感じさせる。
11I sing a song for you
オープニングからエンディングまで、ピアノの演奏だけをバックに歌い上げる感動的なミディアム・バラード。息づかいすらすぐ近くに感じられるようなリアルなヴォーカルが、心に真っ直ぐ入ってくる。
12chance for you
アルバムのラストを飾るにふさわしい、ポジティヴな歌詞と優しいメロディが秀逸なミディアム・チューン。ハンド・クラップと仲間たちとのコーラスだけになるエンディングが心を温かくしてくれる。