ミニ・レビュー
約5年間に及ぶ活動に終止符を打ったDo As Infinity。これまでに発売した21枚のシングル曲を発売順に収録。最初はブリット色の強かったスタイルが、どんどんカラッと開放的に変容していくさまが見えてくる。良質な歌が多いだけに、素敵な記念盤になった。
ガイドコメント
Do As Infinityの初のシングル・コレクション。99年のデビュー・シングル「Tangerine Dream」から「TAO」までをリリース順に収録した、永久保存盤。改めて、親しみやすいポップ・ロックの秀作ばかりだ。
収録曲
[Disc 1]
01Tangerine Dream
99年9月発表のデビュー・シングル。“言いようのない不安”のなか“願いは届く”と信じ、前向きに生きようとする気持ちを綴る。サビへ向かって徐々にメロディが展開してゆくポップ・ナンバー。
02Heart
99年12月発表の2ndシングル。ラテン調の哀愁を感じさせ、孤独と愛情が交錯した雰囲気が深みを感じさせる一曲。サビに至るまでの巧みなメロディ・ラインはもちろん、エスニックな味付けのアレンジなどが楽しめる。
03Oasis
2000年1月発表の3rdシングル。メロディアスで切なさを感じさせるミディアム・チューン。バンド・サウンド、デジタル・ビート、ロック・ギターといったさまざまな要素に明快なヴォーカルがのったD・A・Iのサウンドの完成形のひとつ。
04Yesterday&Today
2000年4月発表の4thシングル。スローでじっくりと祈るように迫るバラード・ナンバーで、“昨日と今日”だけでなく、明日への希望さえも感じさせる雰囲気。ピースフルで穏やかな気持ちにさせてくれる。
05rumble fish
2000年8月発表の5thシングル。ラテン調のフレーズを盛り込んだ8ビートのサウンドに、“誰もいない街”と都会の孤独感を歌う。ギター全開のロックながら、細やかなアレンジの工夫が随所に光る。
06We are.
2000年11月発表の6thシングル。チャイムを効果的に配した、爽快なポップ・チューン。出会えたことの奇跡など、普段気づくことは少ないことも大切にしたい気持ちを綴った歌詞とメロディが印象的。
07Desire
2001年1月発表の7thシングルに収録。恋を秘めたこころのなかに広がる、深くて繊細な情感を、歌謡風のメロディと激しいギター・サウンド、厚いシンセ・サウンドに込めたポップ・ナンバー。
08遠くまで
8thシングル。爽快なギター・サウンドを配したポップ・ロック・チューン。明快で伸びやかなヴォーカルや前向きな歌詞とあいまって、スケール感たっぷりのナンバーに。映画『バンパイアハンターD』の主題歌。
09Week!
9thシングル。理想と現実にもがきつつも、ポジティヴに生きようとする女性を応援するメッセージが詰まったポップ・チューン。“Monday”から始まる曜日を交え、ありふれた描写の歌詞が親しみやすい。
10深い森
10thシングル。ミディアム・テンポによるポップ・ナンバーで、スケールが大きくゆったり展開するメロディとドラマティックなサビが印象的。TVアニメ『犬夜叉』のエンディング・テーマにも使用された。
11冒険者たち
11thシングル。スピーディに刻まれるビートに伴のダイナミックなヴォーカルが映える、爽快なナンバー。“冒険者”というテーマから繰り出される前向きな歌詞もD・A・Iらしい。花王ラビナスのCMソングに使用された。
[Disc 2]
01陽のあたる坂道
2002年2月発表の12thシングル。坂道に希望を託したミディアム・テンポのハートウォーミングなチューン。卒業から新しい季節に向かうころにふさわしい雰囲気で、聴くもよし、歌うもよしのD・A・I屈指の名曲といえそう。
02under the sun
2002年7月発表のシングル曲。ロック風のリフを多数組み合わせつつ、めくるめく展開で聴かせるポップ・ロック。テンションの高い歌詞、サウンドともに盛り上がること必至のナンバー。
03under the moon
2002年7月発表のシングル曲で、「under the sun」と両A面で発表。哀愁を感じさせるミディアム・チューン。“月”がさまざまな矛盾や複雑な感情を抱える姿を見守っていた……といった風情を描写したような幻想的な一曲。
04真実の詩
2002年10月発表のシングル曲。“真実の詩”をテーマに、二胡に呉汝俊を迎え、エスニックな雰囲気と悠久の時間を感じさせる、スケールの大きいバラードに仕上げている。
05魔法の言葉〜Would you marry me?〜
2003年6月発表の15thシングル。ドライブするバンド・サウンド、ストリングス、ブラス・セクションといったゴージャスなアレンジ、メロウなメロディによるウェディング・ソング。ストレートに祝福するメッセージがさわやか。
06本日ハ晴天ナリ
2003年9月リリースの16thシングル。爽快なビート・パンク・ナンバーで、スーパー・ポジティヴといえそうなメッセージが、力強いヴォーカルとドライブ感たっぷりのバンド・サウンドで届けられる。
07柊
2003年11月リリースの17thシングル。冬の訪れを“柊”にたとえ、情感を込めて歌われる内省的なバラード系ナンバー。ストリングスとピアノを交えたアレンジが、哀愁のあるメロディを引き立てる。
08楽園
2004年12月リリースのシングル曲。“楽園”という理想を目指して、明日へ生きるというメッセージをストレートに伝えるポップ・チューン。チェロなどを使った繊細なアレンジと唸るような大迫力のギター・ソロといったアクセントも巧み。
09For the future
2005年1月発表のシングル収録曲。“誰だって一度は大空を飛べるさ”という明快なメッセージで歌われるD・A・I流応援ソング。伴のヴォーカルも吹っ切れたように明るく曇りのない歌いっぷり。作詞は大渡亮。
10TAO