ミニ・レビュー
作詞作曲を手掛けるヴォーカル、大志を中心に2003年に結成された5人組。レゲエやヒップホップ、ヘヴィ・ロックなどありとあらゆるジャンルを網羅したアレンジに、畳み掛けるようなリリックが乗る。そんな中で際立つ女性コーラスも印象的だ。
ガイドコメント
2003年に結成された5人組バンド、Aqua Timezの9曲入りミニ・アルバム。陰と陽のバランスのとれた、ミクスチャー・ロックが新鮮。作詞作曲を手がける太志のメロディ・センスにも注目だ。
収録曲
01希望の咲く丘から
ピコピコと音が空中遊泳しているようなサウンドにメロディアスな旋律が絡み、ヴォーカルが空間を塗り潰していくかのように言葉を紡いでいく。悲しみを乗せたメロディが徐々に広がっていき、光と闇を感じさせる曲。
02向日葵
夢や希望に向かって生きていくことを、太陽に向かって一心に咲く“向日葵”に重ねて、一語一語噛み締めるように歌う。ゆったりとしたリズムから、力強いギター・サウンドや晴れ晴れとしたキーボードを聴かせている。
03等身大のラブソング
軽やかなレゲエのリズムと耳馴染みの良いメロディに乗せて歌われる、“等身大のラブ・ソング”。キャッチーなサビが印象的。人間味あふれるコーラスから、愛を祝福するムードが伝わってくる。心温まるナンバー。
04独り言
ラウドなギターが疾走感を煽り、猛スピードで一気に駆け抜けていく曲。エフェクトがかかったヴォーカルが発する言葉は、宇宙の神秘や人生の儚さを連想させる。そんななか、“何が残せる”というフレーズが胸に残る。
05上昇気流
パンキッシュで歯切れの良いギター・サウンドが、雲を突き抜けていくような爽快感をくれる。親しみやすいコーラスに乗って、ひとりの世界を飛び出して羽ばたいていけそうな気分になる。開放的なパワーをくれる曲。
06一生青春
ギターが叩きつけるように刻むリズムが、“胸のドキドキ”を表わしているよう。何かに感動する心を忘れずに、新しい世界へと踏み出していく“青春”な気持ちを持ち続けようという、若々しいエネルギーに満ちた曲。
07始まりの部屋
静かな鍵盤のイントロから、そよ風のようなギターに乗せて軽やかに疾走していく。一気に分厚くなっていくサウンドとともに力強い歌が炸裂し、静と動を感じさせる。爽やかな疾走感のなかに情熱的な想いが感じられる曲。
08Blues on the run
懐かしい響きの鍵盤に乗せたポエトリー・リーディング。短いながらも、幼いころの思い出から今の気持ちにまで繋がった詩を、ありったけの想いを込めて読み上げる。彼らが歌に込めるものは何なのか考えさせられる。
09青い空
つま弾かれるギターに哀愁が漂うナンバー。囁くようなヴォーカルが優しく、キーボードの旋律が美しい。“青い空”というタイトルとは裏腹に、夕焼けが似合いそうな曲。広大な世界で懸命に生きる人間の姿を歌う。