ミニ・レビュー
2005年5月、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行なわれた伝説的グループ、クリームの実に36年ぶりに実現した再結成コンサートの模様を収録した2枚組ライヴ。クラプトンが久々にマジになってプレイしているのを聴けるだけでも価値大。最高!★
ガイドコメント
わずか4日間、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールにて行なわれた、ロック史上最強のトリオ、CREAMの伝説の再結成ライヴを収録。37年の時を経て、再び出会ったクロスロードでの魂のパフォーマンスは必聴もの。
収録曲
[Disc 1]
01I'M SO GLAD
2005年5月6日、ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ録音。おなじみのギターのイントロから始まる再結成クリームによる最初の1曲。往年のパワーは望むべくもないが、それぞれの手癖が変わっていないことがうれしい。エリックのギター・ソロはさすが現役。
02SPOONFUL
2005年5月6日、ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ録音。37年前にはライヴにおける最大のハイライトだった定番の即興大会ナンバーの再演。ジャックVS.ジンジャーのバトルはさすがに再現できないようだが、エリックのギター・ソロはたっぷりと楽しめる。
03OUTSIDE WOMAN BLUES
2005年5月6日、ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ録音。『カラフル・クリーム』収録のブラインド・ジョー・レイノルズのブルース・クラシックをすっかり成熟した60歳のエリックのヴォーカルで再演。もちろんブルージィなギター・ソロもたっぷりと楽しめる。
04PRESSED RAT AND WARTHOG
2005年5月6日、ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ録音。ジンジャー・ベイカーのラップ仕様のヴォーカルをフィーチャーした懐かしい『素晴らしき世界』収録曲。65歳の彼の声はドラミング同様に変わっていない。演奏後のMCでのジョークも彼らしい。
05SLEEPY TIME TIME
2005年5月3日、ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ録音。37年前の『ライヴ・クリーム』収録ヴァージョンを思い出させるジャック・ブルース主導のスロー・ブルース。ジャックの歌声は相変わらず雄々しい。エリックのギター・ソロはさすがに見事なものだ。
06N.S.U.
2005年5月6日、ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ録音。ジンジャー・ベイカーのドラミングが『ライヴ・クリーム』収録の37年前の名演を思い出させるジャック・ブルースの曲。エリックの燃え上がるようなギター・ソロも若き日の彼の熱演を蘇らせる。
07BADGE
2005年5月3日、ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ録音。ジョージ・ハリスンとの共作によるエリックの曲。37年は無理だが、20年は若返ったようなヴォーカルとギター・ソロを聴かせてくれる。この曲を演奏するときの彼はいつも一時的に若返るようだ。
08POLITICIAN
2005年5月6日、ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ録音。ライヴ定番曲でもあった『素晴らしき世界』収録のジャック・ブルースの曲。『グッバイ・クリーム』収録の名演も懐かしいが、ここでのエリックのクリーム仕様のギター・ソロも37年前を彷彿とさせる。
09SWEET WINE
2005年5月6日、ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ録音。『ライヴ・クリーム』収録の15分間の名演を思い出させるジンジャー・ベイカー主導のライヴ定番曲。タムを多用する彼のドラミングも懐かしい。3人が歌うコーラス・パートの不変性が妙に感動的。
10ROLLIN' AND TUMBLIN'
2005年5月6日、ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ録音。62歳目前のジャック・ブルースのマウスハープがバンドを力強く先導するマディ・ウォーターズの曲。息切れ寸前で頑張り続けるジャックを励ますようなエリックのスライド・ギターも素晴らしい。
11STORMY MONDAY
2005年5月5日、ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ録音。クリームでの演奏の記録は見当たらないが、それ以前には3人ともプレイしていたはずのブルース・クラシック。ジャックのヴォーカルも見事だが、エリックも素晴らしいギター・ソロを披露している。
12DESERTED CITIES OF THE HEART
2005年5月3日、ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ録音。『ライヴ・クリームVOL.II』の秀逸なヴァージョンを思い出させるジャック・ブルースの曲。ジャックの歌声はクリームの看板だったが、ジンジャー・ベイカーのタムを乱打するフィルもクリームならでは。
[Disc 2]
01BORN UNDER A BAD SIGN
2005年5月6日、ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ録音。アルバート・キングのヴァージョンで知られる名曲だが、クリームも『素晴らしき世界』でカヴァーしていた。ここでもエリックは本家キングばりのギター・ソロを披露。ジャックとジンジャーも健闘している。
02WE'RE GOING WRONG
2005年5月6日、ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ録音。『カラフル・クリーム』に収録されているジャック・ブルースの隠れた名曲。ライヴでも演奏されていた彼のお気に入りの1曲。ジャックのスピリチュアルな歌声と幻想的なサウンドが素晴らしい。
03CROSSROADS
2005年5月6日、ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ録音。37年前よりもテンポを落としたライヴ定番曲。この曲をずっと演奏し続けてきたエリックのヴォーカルとギター・ソロはさすがに素晴らしい。ジンジャーのフィル・インが昔と変わらないのもうれしい。
04WHITE ROOM
2005年5月3日、ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ録音。クリームを代表する名曲の再演。あのイントロの迫力は変わらないし、ジャックの歌声も健在。ヴォーカルでも頑張るエリックのギター・ソロもクリーム時代の瑞々しいプレイを思い出させる。
05TOAD
2005年5月5日、ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ録音。ジンジャー・ベイカーのドラム・ソロをフィーチャーしたライヴ定番曲。パワーこそ衰えたものの、タムを多用するアフリカン風味のソロは変わらない。手癖と足癖もジンジャーならではの65歳の名演。
06SUNSHINE OF YOUR LOVE
2005年5月3日、ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ録音。ジャックとエリックがヴォーカルをシェアしたクリームの代名詞的な名曲の再演。ヴォーカルとギター・ソロは37年前のクリームにも負けてはいない。終盤のインスト・パートではジンジャーが健闘している。
07SLEEPY TIME
2005年5月6日、ロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ録音。61歳のジャックのソウルフルなヴォーカルが堪能できるオリジナル・スロー・ブルース。60歳のエリックによるギター・ソロも素晴らしいし、65歳のジンジャーのドラミングも若い者には負けていない。