ミニ・レビュー
2001年のデビュー作「ぼくの味方」から2005年の5月発売の「幻」までリリースしてきたシングル11曲を年代順にコンパイルしたベスト・アルバム。“悲しい時は柴田淳”とも言われる彼女だが、全編にわたり、アコーステックでしっとりとしたバラードの集大成。
ガイドコメント
デビュー曲「ぼくの味方」から最新シングル「幻」までを網羅した柴田淳のシングル・コレクション。デビューから4年間の彼女のアーティストとしての成長と進化が実感できる必携アイテムだ。
収録曲
01ぼくの味方
ふわふわ浮かぶ雲のように、ミディアム・テンポに乗せて、幸せな気分を呼び起こさせてくれる。落ち込んだときには元気づけられそうな、どんなときも“自分の味方でいてほしい”一曲。
02それでも来た道
孤独な「僕」の寂しさを透き通った声で切なく歌い上げる、強い訴求力を携えたナンバー。耳に馴染みやすい優しいメロディ・ラインは、聴き返すほどにスーッと心に染みわたり、深みを感じさせる一曲。
03月光浴
夜空に向かって口ずさみたくなるような、静かで寂しげな旋律が心にしみこむ透明感あふれるメロディ。心の奥に残るもやもやした気持ちもこの曲が洗い流してくれそうなバラード。
04片想い
心がきゅーっとなるような切なく、少しほろ苦い片思いを描いたバラード。片思いの辛さ、切なさ、甘い痛み、すべてを理解して包み込んでくれる優しい旋律が、温かく癒してくれるはず。
05隣の部屋
懐かしい香りのする旋律に、切ない恋愛模様が浮かび上がる、今にもため息が聞こえてきそうなフォーク・ソング。ひとりの世界に浸りたいときにぴったりと寄り添ってくれる音楽。
06ため息
秋風のようにもの寂しげなため息が似合う曲。ちょっぴりセンチメンタルな気分のときに、優しく心にシンクロしてくれるだろう。落ち込んだときにこそ染み入る、一人で聴きたい楽曲。
07あなたとの日々
変わらない毎日への倦怠感をしっとりと歌い綴った曲。優しいながらも強さを持ったヴォーカルが、シンプルなバンド・サウンドや心地良いメロディとマッチ。抑え目のAメロに映えるサビが、なんともドラマティック。
08未成年
オーソドックスなスロー・バラードながら、「未成年」の心情を綴った詞が印象的。現代社会へ対してグサリと突き刺すようなメッセージ・ソングは、“柴淳”の卓越した歌唱力やハイトーン・ヴォイスによって楽曲に奥行きと広がりを加えている。
09ちいさなぼくへ
まろやかな心地良いヴォーカルがのる、シンプルなミディアム・スロー・バラード。過去の自分に語りかけるような詞が印象的な心温まる一曲で、ナチュラルな“柴淳”の魅力が詰まっている。
10白い世界
本人が奏でるピアノの音色も美しいミディアム・バラード。「白」というはじまりを描いた繊細な詞世界も彼女らしいが、なんといっても彼女最大の魅力である、伸びやかなヴォーカルがじっくりと堪能できる一曲。羽毛田丈史による編曲も秀逸。
11幻
イントロのピアノから切なさを予感させる、失恋を歌ったミディアム・バラード。“柴淳”の持ち味である澄んだハイトーン・ヴォイスが美しく、真っ直ぐに届いていく。女性らしく情感たっぷりの表現力で、聴く人の心に切なく響いていく。