ガイドコメント
2000年3月に「君の家に着くまでずっと走ってゆく」「Mysterious Eyes」のシングル2枚同時発売でデビューしたクリエイティヴ集団GARNET CROWの初のベスト・アルバム。岩田さゆり提供曲「空色の猫」のセルフ・カヴァーやシングル、人気曲を収録。
収録曲
[Disc 1]
01君の家に着くまでずっと走ってゆく (indies ver.)
02Mysterious Eyes
GARNET CROWの記念すべきデビュー・シングルは、ポップで開放感あふれるナンバー。中村由利の少年のような歌声が、テーマ曲として使用されたTVアニメ『名探偵コナン』のイメージにぴったりで、大きな印象を残した。
03in little time
04二人のロケット
05未完成な音色
06千以上の言葉を並べても...
穏やかな雰囲気に包まれるミディアム・バラード。互いを思いやるような恋人との別れを大切にし、近すぎて気づけなかった恋人の気持ちを考えたりと、失恋を前向きに受け止めていこうとする気持ちを切なく優しく歌っている。
07夏の幻 (secret arrange ver.)
08flying
グルーヴィなベースと呪術的なドラムがループ、サビは一転して飛び立つような躍動感にあふれる。しかし飛ぶといっても幸福感は少なく、どこか屋上から飛び降りるような、圧倒的な無力感が漂う不思議な雰囲気の作品だ。
09水のない晴れた海へ
10Last love song
歌謡曲的なキャッチーで懐かしいメロディが耳に残るナンバー。最後の恋になるといいと願う、恋愛中に誰しも感じる気持ちを歌った作品。幸福な中でも“いつかいなくなる”ことを考えもがいてしまう世界観は彼らならでは。
11call my name
ボッサ風リズムにアコースティック・ギターが絡み、彼ら特有の物悲しい音色の中にもオーガニックな空気感を出しているミディアム・チューン。ただ互いに名前を呼び合う、そんな些細な日常の中の愛を表現した作品だ。
12Timeless Sleep
失恋の痛みを描いたミディアム・バラード。ひたすら無機質で虚無感を表現したような荒いカッティングと、内に秘めた燃え上がるほどの感情を思わせる繊細なアルペジオを併せ持った、岡本仁志のギターが聴きもの。
13夢みたあとで
情感あふれるピアノと、エリック・クラプトンの影響を感じさせる哀愁漂うギターが印象的な、悲しくも美しいバラード曲。恋人を失った悲しみを、“感情を持って生まれてきたことを憂鬱にさえ思う”と表現する詞が文学的。
14Holy ground
[Disc 2]
01スパイラル
ミッド・テンポのシンセ・サウンドによる前半部から、ギターが加わると同時に疾走感を増していき、爆発的にドライヴする爽快な楽曲。彼らには珍しい乾いた空気感をもったポップなナンバーで、ライヴでも人気の作品。
02クリスタル・ゲージ
冬のひんやりした空気を持つ、透明感あふれる楽曲。イメージを大切にした曖昧な歌詞が繰り返し同じメロディに乗って流れていくのを聴いていると、異世界に連れて行かれるような不思議な感覚にとらわれる。
03泣けない夜も 泣かない朝も
冒頭のラップ、スクラッチ音からして彼らの新しい挑戦が垣間見える、ヒップホップの影響を感じさせる作品。新しい中にも、スモーキーな色彩感覚やサビのキャッチーで美しいメロディといった、彼らならではの魅力は健在。
04君という光
恋の幸福感を表現したバラード曲。タイトルにある“光”を感じさせるキラキラした音色を多用したサウンドと、詞に描かれる“海”を思わせるふわりとした空気を内包したアレンジが相まって、幻想的な作品に仕上がっている。
05永遠を駆け抜ける一瞬の僕ら
06僕らだけの未来
GARNET CROWとしては珍しいラテン・フレイヴァーの歌謡曲といった雰囲気のサウンドが、どこか懐かしさを感じさせる。中性的な詞世界が中村由利のヴォーカルにぴったりな、あふれる疾走感が気持ちよい作品。
07君を飾る花を咲かそう
大切な人を亡くした悲しみをヴォーカルの中村が曲にし、それを知らずしてAZUKIが書いた詞が見事にシンクロ、美しいレクイエムが完成。悲しいけれど自分ができる唯一のこと=強く生きることを決心する、力強い作品。
08忘れ咲き
何かを求めたり、変わっていくものでない“好き”という感情を大事にしたい、という思いが込められた作品。サウンドも生楽器を使ったやわらかいもので、昔の写真を眺めているような温かく懐かしい気持ちにさせられる。
09Sky (new arranged track)
10夕月夜
11君 連れ去る時の訪れを
12君の思い描いた夢 集メル HEAVEN
13空色の猫
14「さよなら」とたった一言で...