ミニ・レビュー
タイトル曲は、60年代の大ヒット・ナンバーであるニール・セダカの作品のカヴァーで、歌詞は彼が作った日本語詞で歌われている。「青い鳥」もレオン・ラッセルのカヴァー。「ピストル・スター」は彼のオリジナル。いずれも野性味のある歌唱が彼らしい。
ガイドコメント
オリジナル・ラヴ初のカヴァー・アルバムからの先行シングルとなる作品。ニール・セダカの往年のヒット曲を東京スカパラダイス・オーケストラとの共演で仕上げた「恋の片道切符」は必聴ものだ。
収録曲
01恋の片道切符
パーカッシヴなドラムを中心としたスカ・ビートと厚みのあるグルーヴを描き出すホーン・セクション、そして濃密な男っぽさをムンムンと漂わせるヴォーカリゼーション。原曲における“素朴で懐かしい”というイメージをガラリと変える、強烈なアレンジがきわめて印象的なカヴァー。
02青い鳥
レオン・ラッセルの隠れた名曲のカヴァー。洗練されたコード・ワークと美しいラインを描き出すメロディはもとより、原曲の雰囲気をしっかりキープしながら、ミュージシャンたちの生々しい息づかいを大事にした田島のアレンジも見事で、理想的なカヴァーといえるだろう。彼の歌も気持ち良さそうにスウィングしている。
03ピストル・スター
ヴォーカル&ギター、ドラム、ベース、オルガンというシンプルな構成によるロック・チューン。ピストル、ロックグラスといった言葉が並ぶハードボイルド・タッチのリリックとブルースを感じさせる骨太なヴォーカルがひとつになったこの曲は、ロック・アーティスト、田島貴男の本領発揮といったところか。身体の深い部分を突き刺すような旋律もいい。