ミニ・レビュー
1月から12月まで、カレンダーに記された各月を季節感ある歌詞によって、つじあやの独特のカラーで紡ぎ出された12曲収録のフル・アルバム。1年を振り返るか、これからの1年を期待するかは聴き手次第というシャレ気たっぷりなコンセプト。DVDおまけつき。
ガイドコメント
タイトル通り、12ヵ月をイメージした12曲が収録された、つじあやののアルバム。本人を含め、プロデューサーも12人。まさに季節が移り変わるかのように、音楽性の違いを楽しめる1枚だ。
収録曲
[Disc 1]
01春風
シンセサイザーが繰り出すクラヴィの音色が印象的なロック・ナンバー。8ビートのドラムスをバックに前面で鳴るのはシンセサイザー。機械的なサウンドでありながら、優しくオーガニックな印象を受けるのは彼女の声質に負うところ大。
02ブルー
小節の1拍目のみにアクセントを置いたキメが特徴的な、疾走感たっぷりのポップ・ナンバー。タイトルの“ブルー”は青空の色。どこまでも澄みわたる晴れやかな空を、透明感あふれるヴォーカルで清々しく聴かせる。
03お天気娘
雨をテーマにしているとはいえ、「今日は雨でも明日は晴れる」「今はつらいけど夢は叶う」といったポジティヴな歌詞とやさしく伸びやかなヴォーカルが、希望と元気を与えてくれる。控えめなアコーディオンの音色が心地良く響くナンバー。
04愛の真夏
ウクレレのコード・カッティングをメインに、ドラムとベース、エレキ・ギターがサポート。大袈裟なアレンジは一切排除し、彼女の澄みわたるまっすぐなヴォーカルだけを聴かせるメロディアスなポップ・ナンバーだ。
05Shiny Day
ディストーションを効かせたギター・サウンドが全開の、典型的な8ビートのロック・ナンバー。自らの声を重ねたコーラスが、美しく澄みわたる青空を印象的に歌いあげる。シンプルなアレンジだからこそ、彼女のヴォーカル力が堪能できる1曲。
06月
北インドの太鼓、タブラをはじめとして、ウクレレやチェロ、ターンテーブルなどによる多彩な音色によって、月の持つ幻想的な雰囲気を表現。これだけユニークな構成ではあるが、驚くほどシンプルで聴きやすくまとまっている。
07愛していること
ヴォーカルとウクレレのみによる、どこまでもシンプルな曲。シンプルな構成にした分、つじあやのの歌声とウクレレの音色の持つ魅力を存分に堪能できると同時に、この2つの相性の良さに改めて驚かされてしまう。
08ゆびきり
アコースティック・ピアノのつま弾きとストリングスを従え、呟くように優しく歌い上げる、メロディアスなバラード・ナンバー。遠距離恋愛をする恋人たちの切なさを歌った、美しいナンバーだ。
09星降る夜のクリスマス
バンド・サウンドでクリスマスを歌った、メロディアスなロッカ・バラード。男性からの視点で愛する彼女への優しいメッセージを力強く歌い上げる、寒い季節にも暖かな気持ちになれること請け合いの1曲だ。
10新しい日々
クレイジーケンバンドの横山剣が編曲・プロデュースで参加したラブ・ソング。ホーンのアレンジやオリエンタルな雰囲気といった、横山の持つ世界観とつじあやのの繊細なヴォーカルを融合させることに成功している。
11チョコレート
「甘くてほろ苦い恋心」と「2人のとけあう心」をチョコレートにみたてた歌詞が秀逸なバラード曲。ウクレレ、ベース、ピアノによるシンプルな構成のなかで、ストリングスの音色が良いアクセントを与えている。
12春色のワンピース
タイトル通り、あたたかい春風のようなポカポカとした雰囲気に満ちた、爽やかなポップ・チューン。ヤマカミヒトミによるフルートとメロディカの音色が、曲の春らしさをいっそう際立たせることに成功している。
[Disc 2]〈DVD〉〈PVカレンダー〉
01春風
02Shiny Day
03愛の真夏
04ゆびきり
05星降る夜のクリスマス (プロモーションビデオ)