奥村愛子 / 虹色ナミダ

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奥村愛子 / 虹色ナミダ
CD
  • アーティスト:
  • ジャンル:
    国内ロック&ポップス
  • レーベル:
    ヴァージン
  • 規格品番:
    TOCT-25870
  • 価格:
    2,933 円(税込)
  • 発売日:
  • 取り扱い店:
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ミニ・レビュー
歌謡曲全盛期の熱気を平成18年の世に持ってくると、こうなるか。古さは感じず、実にイマっぽい。ジャズ風の味付けも歌謡世界への調味料といった趣でより効果的。日本の大都市の夜の世界に脈々と受け継がれているグルーヴ感に、うれし懐かしの涙も虹色。
ガイドコメント
2005年12月発表の2ndアルバム。“歌謡POPS”をコンセプトに独自のスタイルを切り開いて来た彼女の集大成とも言える作品で、筒美京平やつんく、松井五郎など錚々たるメンバーが集結。彼女のオリジナル曲にも注目。
収録曲
01恋の嵐
オーセンティックなスウィング・ジャズ・サウンドをバックに、突然舞い降りてきた“恋の嵐”を奔放に表現したダンサブルな昭和歌謡ナンバー。クラシカルなワンピースをまとい、軽やかにステップを踏みながら、エモーショナルなヴォーカルを解き放つ彼女の姿が目に浮かんでくるようだ。
02虹色ナミダ
骨太なグルーヴを生み出すベース・ライン、タイトにドライヴしていくドラム、ヒリヒリとした感情を演出するギター、そして、楽曲全体にハッとするような緊張感を与えるホーン・セクションが一体となったサウンド・メイクが素晴らしい。もちろん、クオリティの高いトラックのなかで自由に舞う彼女のヴォーカルも絶品。
03くちびるセクシー
作詞・作曲は、つんく♂。セクシャルな手触りをたたえた旋律、激しくも切ないラヴ・エモーションを描いたリリック、しっかり抑制を効かせることで匂い立つような色気を醸し出すヴォーカル。名プロデューサーである彼は、見事に奥村愛子のエロティシズムを浮き彫りにしてみせた。特に間奏パートのフェイクはたまらない。
04もう一度マリンブルー
挫折を経験し、現実に疲れた女性が車を走らせ、思い出の海を見にいく。70年代後半〜80年代前半のニュー・ミュージックを想起させるシチュエーション設定がなんとも楽しいミドル・バラード。青春はもう終わり。これからは大人の女性として生きていかなくちゃいけない……そんな揺れる心情を彼女は、豊かな表現力で映し出している。
05Nice Nice
作詞・売野雅勇、作曲・筒美京平という日本ポップス史上最強のコラボレーションは、ファンク/ディスコティックなサウンドが聴く者の体をゆっくりと揺らす、大人っぽい雰囲気のダンス・チューン。しなやかなグルーヴを体現したメロディと切ない恋愛シーンを想起させるリリックの融合は、日本のポップスのひとつの高みといえるだろう。名曲!
06恋はここから
ソウル・ミュージックの要素をたっぷりと取り込んだ、セクシーなイメージのグルーヴィ・チューン。しなやかなビートに乗る彼女のヴォーカルもさらに“エロ度”をアップ。“駆け引きはいらない、いますぐ恋をはじめましょう”という積極的な女性を主人公にしたリリックも、メロディが放つ空気にぴったりはまっている。
07恋したいハート♥
2005年に大流行した“レゲトン”っぽいビートが下半身をがっつりと揺り動かす、ラテン系ダンス・ナンバー。メリハリを効かせながら、聴く者をグイグイと引き寄せていくメロディを手がけているのは、筒美京平。何度リピートしても飽きさせない中毒性をもった旋律は、2000年代も他の追随を許さない。恋したい! という気持ちをバンバン押し出したリリックも強烈。
08Lovephobia
ノスタルジックでロマンティック。思わずウットリしてしまうような筒美京平のメロディと、失恋の悲しさをリリカルに綴った売野雅勇の歌詞が完璧に融合。バート・バカラックを彷彿とさせるホーンとストリングスのアレンジは、Face 2 fAKEによるもの。伝統的なアメリカン・ポップスと2000年代のJ-POPの美しい邂逅。
09銀色の雨
昭和の歌謡曲が持っていた、えげつないほどのフック感と、70年代のブラック・ミュージックをイメージさせる強靭なリズムがひとつになった、きわめて濃密なナンバー。雨、カフェ、ため息といったフレーズをちりばめた歌詞も、彼女の魅力である郷愁をたたえたヴォーカルによく似合っている。全編に流れるサックスの音色も超クール。
10あなたのピラフ
告白された彼のことを「悪くないな」と思いながらも、別れた(フラれた)元カレのことがどうしても忘れらない。つんくの得意技とでもいうべき“リアルな女の子”を主人公にしたピアノ・バラード。切ない心情をシンプルに紡いでいくヴォーカルからは、彼女の新しい表情が感じられる。幅広い表現力を持つシンガーなのである、奥村愛子は。
11ベランダの向こう側
和風テイストのサウンドを背景に描かれるのは、別々の道を歩くことを選択した、かつての恋人に対する思い。“電車から見える(ふたりが暮らしていた)部屋”をモチーフにしながら、胸を締めつけられるような感情を切々と綴っていくリリックには、どうしても心を揺さぶられてしまう。震えるように繊細なヴォーカルも素晴らしい。
12恋したいハート♥ (Brassless Version)
ファット&ファンクなビートをしっかりと強調することで、“ダンス”の要素をがっちり高めたヴァージョン。ブラック・ミュージック系にも完璧に対応したサウンドは、“昭和歌謡”という側面だけが目立つ彼女の現代性を証明していると思う。そう、単に“懐かしいイメージのポップス”ってだけではないのだ、彼女の音楽は。
仕様
CDエクストラ内容:Special Photo Collection
タイアップ
  • 「くちびるセクシー」 - TBS「貞操問答」主題歌
封入特典
  • ビッグバンドスコア付きブックレット
アーティスト
  • 奥村愛子
    1980年生まれ、埼玉県出身の女性シンガー・ソングライター。幼い頃からグレン・ミラー、ルイ・アームストロング、坂本九など、ビッグ・バンド・ジャズや昭和の歌謡曲を聴いていたという個性派。2003年にインディーズでリリースしたシングル「いっさい……
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