ミニ・レビュー
ソロでは通算7作目となるシングル。(1)は彼には珍しいSOPHIA風ポップ・ロック、(2)はフォーク歌謡のカヴァー、(3)はロカビリー、(4)はブルース・ロックと、多様な楽曲をすべて彼の妖しげな世界に引き込んでいるのが見事。歌声のみならず息づかいさえも孤高。★
ガイドコメント
2006年春からの全国ライヴ・ツアーにあわせてリリースされた7thシングル。叙情的な詞をじっくり聴かせるミディアム・テンポのナンバーで、2006年の精力的な活動の幕開けを飾る作品だ。
収録曲
01星座の夜
通算7作目となるシングル表題曲。曲調は若いバンドによくあるポップなロックだが、彼の声というフィルターを通せば、たちまち精神世界を彷徨うように聴こえる。音の洪水と「星が回る」という言葉の組合せが絶妙。
02シクラメンのかほり
1975年レコード大賞受賞曲となった布施明のカヴァー。オリジナルのフォーク調を残しつつ、退廃的なギター・サウンドと狂おしいヴォーカルで自分のものにしている。後半のあえぎでカタルシスが体験できるはず。
03泥沼に浮かぶ花
沢田研二「ス・ト・リ・ッ・パ・ー」を彷彿とさせるロカビリー歌謡曲。「泥沼に浮かぶ花」を「溺れ拾う」自分と「投げ捨てる」自分が共存する様子を悩ましげに歌うのを聴くと、夢うつつの世界にトリップしそう。
04深い海
「僕は君をずっと許せる」「優しい歌を作ったよ」という歌詞だけ読むと穏やかなラブ・ソング。なのに、ギターとベースだけの退廃的なサウンドに妖しげな清春節が重なると、たちまち厭世観がたちこめる。これぞマジック!