ミニ・レビュー
5枚目のシングル。メロディもヴォーカルもブラック・テイストを少なからず感じるものでどこか大人っぽいが、歌われていることは2006年の現在17歳という彼女の等身大の関心事。歌声も、まだほのかにあどけなさを残しているようにも感じる。今はそこが魅力か。
ガイドコメント
加藤ミリヤの通算5枚目のシングルは、現役女子高生の彼女だからこそ歌える、現代の卒業ソング。分かってもらえない気持ち、分かってほしい気持ちを、ミリヤが届ける。
収録曲
01ソツギョウ
卒業ソング。切なく苦しげに“たった一つ見つけ出す”と歌われる、繰り返されるキャッチーなサビが印象的。“うるさい”や“わかる訳ない”といった歌詞から、苛立ちにも似た、行き場のない想いが伝わってくる。
02Caught up
サンバを思わせるファンキーなリズムを軽快に取り入れたR&B。“上に上に行ける”とどこまでも上を目指す上昇志向を、自分自身を奮い立たせるように歌う。無鉄砲とも言える若さが感じられる、小気味良いナンバー。
03ready or not
悲しげに響く鍵盤の音色とスクラッチ・ノイズが特徴。湿り気を帯びた内向的な雰囲気のサウンドが、ふさぎ込んだ気持ちを綴った歌詞とリンクし、気だるく憂鬱に響く。そんななか、“負けないで”と静かなエールが届く。
04ソツギョウ (DJ Mitsu the Beats School Gate Mix)
「ソツギョウ」のDJ Mitsu the Beatsによるリミックス。ストイックなリズムにミニ・モーグの優しく柔らかな音が溶け合い、行き場のない想いを歌った歌声を大人っぽくまろやかに包み込む。