ミニ・レビュー
ゴシック・ハープの古雅な調べが流れ出すと、時がゆっくり回りだし、中世に迷い込んだような錯覚に陥る。西山まりえと濱田芳通らの演奏にそこはかとなく漂う気高い趣をどう表現すれば良いのだろう。初めて聴く曲ばかりなのに、ほのかな郷愁が感じられる逸品。
ガイドコメント
珍しいゴシック・ハープ(24弦のシンプルな小型ハープ)とオルガネット(片手でふいごを操作しながら抱えて演奏する小型オルガン)による中世作品集。この楽器でなくては出ない味わいを持つ、ファン必聴の1枚。
収録曲
01ヴィルレー「心とろかす美しい女」 (マショー)
02コンスタンティア (作者不詳)
03バッラータ「輝く星よ」 (作者不詳)
04ある日 (作者不詳)
05バッラータ「この御婦人は哀れみを持つことはあるまい」 (ランディーニ)
06白い花 (作者不詳)
07バラード「恋ではちきれそうなのに」 (マショー)
08バッラータ「この心にかかるはなんという苦しみか」 (ランディーニ)
09バラード「恥と恐れと疑惑」 (マショー)
10バラード「優しい恋人よ、私の嘆きを聞いておくれ」 (マショー)
11ああ、私の心よ (作者不詳)
12バラード「あらゆる花々のうち」 (マショー)
13無題 (f.49v) (作者不詳)
14マドリガーレ「高潔な鷲は」 (ヤコポ・ダ・ボローニャ)
15イスタンピッタ「ラ・マンフレディーナとラ・ロッタ」 (作者不詳)
16バラード「この愚かな考え」 (ピエール・デ・モラン)
17イスタンピッタ「トリスタンの哀歌」 (作者不詳)
演奏
西山まりえ(ゴシック・ハープ,オルガネット) 濱田芳通(COR,BF) 石川かおり(フィーデル)