ガイドコメント
『United Flow』以来、実に4年ぶりのオリジナル・アルバム。3枚のシングル曲「a Love Story」「Club Happiness」「君のそばに」をはじめ、ポップ感あふれるジャパニーズ・ソウルは健在だ。
収録曲
01Vibe for real〜Foreplay〜
アルバム『FOR REAL?』のオープニング・トラック。ヴォコーダー使いのコーラスのみのフェイド・イン&アウトによるナンバーだが、ファンクなムード満載なアルバムへの期待を抱かせる1分弱のイントロダクション・チューン。
02Dr.Party
タイトルが物語るようなゴキゲンなファンキー・パーティ・チューン。盟友である柿崎洋一郎のサポートを受け、跳ねまくる久保田が飛び出してくるような躍動感にあふれる。“悩みの種 Away!”など韻の踏み具合も抜群。
03Riding to the Sight
避暑地でのバカンスを想起させるような上質なウェット感を持ったソウル・ポップス。「夏の子午線」のラインを引き継ぐようなクルージング・チューンで、SAKURAのバック・コーラスが健康的な色香をもたらしている。
04U drive me crazy
アーバンな色彩を持ちながらも、粘り気のある漆黒さを覗かせたソウル・チューン。夜の帳が降りると時を同じくして官能的な世界へと滑り落ちるようなシルキーでディープなサウンドは、愛とソウルの伝道師、久保田の真骨頂。
05a Love Story
余韻をタップリ持ちながらウェットに聴かせるお得意のミディアム・スロー・チューン。1歩ずつステップを踏む度に距離が近づくような愛情を描写したソウルフル・バラッド。ハリウッド映画『Shall we Dance?』イメージ・ソング。
06It's Time to Smile
石成正人によるセンチメンタルなギターの音色が映える、秋の終わりの景色感が漂うミディアム・スロー・チューン。至極丁寧に言葉を紡ぎ出しながら、“今は笑顔の時”と歌う、入魂のヴォーカルが引き立つ楽曲。
07君にあうまでは
松尾潔による詞、柿崎洋一郎によるアレンジという、盟友たちが参加の軽快なグルーヴィ・チューン。手のひらの温もりを感じさせながら、アウトロへ向けてクライマックスとなっていく“Da Da Da…”のコーラスが印象的。
08Slow Jam Loving
トークボックスやシタール風の音色が、粘着質で濃厚な感触を導くスロー・バラード。うねりとひねりを携えた、湿潤な佇まいを持ったヴォーカル・ワークが存分に堪能できる、久保田だからこそなし得たディープ・ファンク・チューン。
09Vibe for real〜The play〜
アルバム『FOR REAL?』のオープニング曲と同様のトラックだが、こちらは久保田の日本語詞と“Getto Talk”なるRALPH ROLLEと久保田による会話パートを組み込んだもの。庶民的なノリとラフなアプローチをまとめたアレンジは柿崎洋一郎。
10君のそばに
久保田利伸の本領が発揮された、メロディアスでかつドラマティックなラブ・バラード。東映系映画『同じ月を見ている』の主題歌で、映画の感動を何倍にも高めること間違い無しの渾身の出来の作品。
11Sign of Love (Soul Response Version)
ヴァージョン名を見ると、「愛のサインをソウル風に解釈すると、クールで濃密なソウル・ファンクとなるんだ」、ということか。ジャジィなリズムをも含有した自由度の高さがうかがえるサウンド・クリエイトが秀逸なナンバー。
12Club Happiness (Brothahood Version) (feat.KM-MARKIT)
KM-MARKITの身のこなしの軽いラップをフィーチャーしたダンス・ソウル・チューン。小粋なサックスのアクセントとジャジィな裏打ちのリズム展開によって、スタイリッシュなクラブ・ヴァージョンに仕上がっている。
13隙間
シンガー・ソングライター森大輔との共作となるアルバム『FOR REAL?』のエンディング・トラック。空に立つ霞がうっすらと散り流れていくような深遠さを持ち合わせた、シンプルだが伝達力の強いスロー・バラード。